2018年10月24日更新
奨学金の猶予とは?返済をストップするための必要書類や審査基準を解説!
奨学金を返済する時期がきても、事情により返済することが困難な場合などに、月々の返済を一時的にストップしてもらうことができる猶予という制度があります。奨学金の猶予という制度を利用する際に必要となる書類やその書き方、および審査の基準を分かりやすく解説します。

目次
- 奨学金を一時的の止める猶予の方法
- 奨学金の返還猶予願ってなに?
- 返済期限猶予の審査はどう?
- 奨学金の返還猶予を受けるための3つの条件!
- 奨学金の返還猶予を受ける条件1:年収が300万円以下
- 奨学金の返還猶予を受ける条件2:返済が延滞していないこと
- 奨学金の返還猶予を受ける条件3:同意書が提出されていること
- 奨学金の返還猶予を申請するために必要なこと
- 返還猶予願の申請方法!理由の書き方
- 奨学金の返還猶予願時に実際に提出した書類
- 奨学金の返還猶予願の申請理由!書き方と例文
- 返還猶予が認められると送られてくる通知
- 奨学金の返済が困難になった時の救済制度
- 奨学金返済困難者の救済制度1:返還期限猶予
- 奨学金返済困難者の救済制度2:減額返還
- 奨学金返済困難者の救済制度3:所得連動返還
- 奨学金は返還!猶予制度を活用しよう
奨学金を一時的の止める猶予の方法

皆さんは、奨学金の猶予制度というものがあるのを知っていますか?奨学金を借りて、返済する時期が来ても事情があって返済ができない場合、返済途中で経済困難になってきたという場合に一時的に返済をストップすることができるという制度です。ここでは、そんな救済制度を知って、奨学金をうまく返済していく方法をご紹介します。
奨学金の返還猶予願ってなに?

奨学金というローンを借りて、長い年月をかけて返済していく間には、色々なことが起こりえます。正社員として就職していたとしても、病気になったり、会社が倒産して失業することがあるかもしれません。もしくは、災害にあって働けない状態になることだってありえます。万が一そんなことになったら当然、奨学金の月々の返済は難しくなってきます。

そんな事情によって奨学金の返済が滞ってくる前に、日本学生支援機構では、一定期間月々の返済をストップするお願いをすることができます。それが、奨学金の返還猶予願です。この猶予願は、意外とあまり知られておらず、奨学金を延滞してしまっている人が多いのも事実です。
返還猶予願を出すことで、返済を一時的にストップできれば、当面の間だけでも経済状況が緩和されますし、延滞者という引け目を感じることもないでしょう。経済状況にゆとりができ次第、奨学金の返済を再開すれば、滞納者というレッテルを貼られることもありませんので、精神的にもゆとりを持って考えることが出来るようになるでしょう。
返済期限猶予の審査はどう?

返済期限猶予には審査がありますが、審査を受けるためには、一定の条件があり、それを満たしていれば、後は必要書類を揃えれば申し込めます。ただし、申請する際には、貸与された全ての奨学金について返還誓約書を提出しない場合は、返還期限猶予願は受理されません。必要書類が揃って初めて、審査対象となります。
大抵は、猶予をしてもらうのに一定の基準があります。その基準を満たしていないと審査に通る確率は低くなるでしょう。奨学金の返還猶予を受ける為にも例外ではなく、ある基準を設けています。それは、経済困難な状況を判断するための所得や延滞していないかどうか、一時的にストップしてもその後最後まで返済してくれるかどうかの判断基準です。

日本学生支援機構としても、その判断基準を設けることで、審査をする際に、奨学金を借りている人の格差を無くして平等になるように留意していることでしょう。貸与型の奨学金を給付してもらっていた場合、返済は必ずしないといけない約束ですから、言うなれば、それが皆さんにとっての心に留めておかなければいけないことでしょう。
返済義務があるということを心に留めておいて、審査の基準を考えていくとたとえ審査に通らなかった場合も納得できるでしょう。なお、滞納すると、審査の途中でも督促状が来たり、催促の電話があったりするのを止めることはできません。審査が長引く可能性も考えて、滞納する前に審査を完了してもらえるように、余裕を持って準備していきましょう。
奨学金の返還猶予を受けるための3つの条件!
ローンの返済もそうですが、お金を返済する時には借りた時の初心を忘れてしまい、なかにはどうしてこんな返済しなければいけないのか理不尽に思ったりする人もいますが、借りる約束をしたのですから、全額返済するまでその契約は生きているのです。生涯、責任を持って返済しないといけません。それは人間としての信用にも関わってきます。

そんなことを心に留めておいていただいて、これから、奨学金の返済猶予を受けるための3つの条件というものを以下に解説していきます。この3つの条件に全て当てはまらないと審査には通りません。どうしても猶予が必要と判断されるための客観的な基準とはいったい何でしょうか?
奨学金の返還猶予を受ける条件1:年収が300万円以下
まず、猶予を受けるための申請理由が経済困難である場合、給与所得の人は、年収の基準額としては、税込300万円以下であることが条件として挙げられます。なお、自営業者の場合は、給与所得金額が税込200万円以下なので比較的基準幅は大きく設定されています。扶養している妻や子供などがいる場合は、控除を含めると年収の基準額が増えます。

しかし、この基準額はあくまでも目安であり、収入・所得金額が基準以下でも、申請者本人の世帯人数や家計の収入・支出の状況を見て、考え合わせて審査され、必要書類と合わせて追加の書類の提出を求められる場合もありますので、注意が必要です。せっかく申請しても、引き続き返還を継続することになる場合もあります。
奨学金の返還猶予を受ける条件2:返済が延滞していないこと

条件の2つ目として、基本的に返還猶予を受ける際に、現時点で返済が延滞していないことが挙げられます。延滞せずにローンを払ってきている人は、それだけで評価されているからでしょう。いざ困ったときにはそれにも対応してくれます。

ただし、たとえ延滞してる場合でも、どう考えても真に困窮している場合には、特例措置として返済を一時的にストップするための返還猶予が受けられるように制度が変更されています。詳しいことは、日本学生支援機構に聞いて相談してみることをおすすめします。
奨学金の返還猶予を受ける条件3:同意書が提出されていること

条件の3つ目に、必要書類として個人信用情報の取扱に関する同意書が提出されていることが挙げられます。これも奨学金がローンであるということを示す顕著な例ではないでしょうか。この個人信用情報は、返済を一時的にストップしても、再度返済を開始した時に支払ってくれるかどうかの判断基準ともなっています。
個人信用情報とは、ローン等の申し込みや契約に関する個人情報のことですが、この情報に同意することによって債務を認めて責任を持ちますという意思表示にもなりえますので、同意書を提出することはとても大事なことだと言えるでしょう。

信用情報に傷がついていると、クレジットや各種ローンを組むことができません。学生として初めてのローンが奨学金であるなら、延滞せずに返済していくことは信頼関係を結ぶ最初のステップです。将来のマネーライフを快適にするためにも奨学金を上手く返済していきましょう。
奨学金の返還猶予を申請するために必要なこと
【JASSO奨学金】猶予申請をしてみよう!ー スカラネット・パーソナル編 - 奨学金返済難民のための基礎知識 https://t.co/ooJaaGId04
— mariokanna (@mariokanna) June 26, 2017
ワンタイムパスワードが他のサイトの仕様と違う。。サンクス
奨学金の返還猶予を申請するためには、まず申請書類を揃えるところから始めましょう。日本学生支援機構のホームページからダウンロードできるのが便利です。直接、電話で問い合わせて取り寄せたりもできますので、自分の希望する期限までに猶予してもらいたい場合は、早めに必要書類などを準備しておきましょう。

返還猶予の必要書類は、願い出る理由によって違います。理由が経済困難の場合は、添付書類として所得証明書などが必要になってきますし、病気の場合は、診断書なども取っておくことが必要です。この各種添付書類もとるのに時間のかかる場合が多いので、事前によく確認して早めに行動して用意しましょう。
返還猶予願の申請方法!理由の書き方

返還猶予願の申請方法としては、必要書類と返還が困難な理由を書いて、その理由に沿って必要な証明書を添付します。そして、書き漏れなどの不備がないか確認したチェックシートとともに日本学生支援機構に送付すれば完了です。申請方法としては簡単なので、面倒臭いと思わずに申請してみましょう。

返還猶予願には、返済が苦しいという理由を具体的に説明して書くことが必要です。審査に通りたいからといって、大げさに書いたり嘘を書くのではなくて、事実を誠実な態度で書くことが望ましいでしょう。それと同時に今後の返還のメドや見通し、返還するのを早目にしていきたいという意欲も合わせて書くといいでしょう。
奨学金の返還猶予願時に実際に提出した書類
まずは奨学金返還期限猶予願を書こう。#離職#奨学金#引き落としを一旦止めてもらうだけ#金額は変わらない pic.twitter.com/Z95IACQbE0
— maru-zaru (@maru_zaru) January 24, 2018
経済困難が理由で返済をストップするために実際に提出した必要書類を説明します。まずは、返還期限猶予願です。それに、チェックシート、市県民税所得課税証明書、申請理由書が必要となってきます。

自営業の人は、その上に確定申告書が必要なので気をつけましょう。きちんと必要書類を揃えて記入の不備がないようにし、再提出を求められることのないようにしましょう。
奨学金の返還猶予願の申請理由!書き方と例文
奨学金猶予の理由は傷病で良いらしい pic.twitter.com/8n960olOnt
— ❤️ひ かちゅう❤️ (@turatanadhdpdd) December 5, 2016
申請理由として、生活保護を受けている場合はもちろんですが、災害に遭ったり、病気になっていて一時的に働けなかったり、失業してしまっている場合などがあります。それらは、一般猶予として返済を一時的にストップしてもらえる必要のある代表的な理由です。
それ以外にも、産前産後および育児の休業や外国に留学する場合などもそれぞれに必要書類を揃えれば、返済を一時的にストップしてもらうことができる効果的な申請理由となります。

どんな理由であれ、奨学金と言う名のローンの返済を一時的にストップしてもらいたい理由と、その事態をどう捉えて、今後再び返済を再開した時にどのようにして返済していくのかを必要書類に建設的に書けると審査する人に伝わりやすいでしょう。
経済困難の場合の申請理由の書き方の一例です。「私の家計は収入よりも支出が多く、月々の給料15万円は、すべて生活費にあてられておりますので、生活も苦しく奨学金の返済に当てられる余裕がありません。」というように、生活が困窮していることを具体的に数値を書いて説明するとよいでしょう。
【奨学金返済ストップ】返還期限猶予願の申請手順と書き方例文まとめ – 奨学金マニア https://t.co/PEes99I2hd
— tvirus@週休3日改め4日党 (@tvirus610) September 30, 2017
そして、「今後は仕事のメドが立っており、生活に余裕が出てきて、返還猶予を承認された期間よりも早く返済出来そうであれば返還期限短縮願を提出したいと思います」という風なことを、皆さんの事情にあったように書いてください。審査に通るための基準がクリアされているなら、申請理由書は、審査の可否に影響を及ぼす大事な必要書類となります。
返還猶予が認められると送られてくる通知

返還猶予願が受理され、晴れて審査に通った時に自宅に送られてくるのが、「奨学金返還期限猶予承認通知書」です。この通知書には、猶予の種別、猶予承認済期間、猶予期間が終わった時の最初の振替日や振替え金額などが記載されています。現在の振替口座登録内容なども載ってますので、大切に保管しておきましょう。

また、人的保障で契約している人の場合は、連帯保証人の所にも返還猶予願が通ったことを知らせる通知が届きます。ほとんど同じ内容ですが、申請書の理由などは記載されていません。もし理由を聞かれたら、安心してもらうように十分説明しておきましょう。
奨学金の返済が困難になった時の救済制度
奨学金猶予「知らぬ」57% 延滞者調査 http://t.co/3OFR3v1wje
— みかんとひよどり (@hiyodori5) April 22, 2014
奨学金の返済を3カ月以上延滞している人の過半数が、返済猶予や1回分の返済額を減らす救済策を知らない
奨学金の返済ができなくなって、自己破産などの債務整理をしないといけないと自暴自棄に陥ってしまう前に、ちょっと深呼吸をしてみましょう。日本学生支援機構には、返済が困難になった時の救済制度が用意されています。それを知っているのと知らないのとでは、今後の人生が大きく変わってしまうかもしれません。

まず、悩む前に適切な行動をとることです。やはり、どうみても延滞しているのをわかっているのに、なんの連絡もせず放っておくのと、延滞したのはなぜか、書面や電話で伝えるだけで状況は好転することもあるのです。そうすれば、給料差し押さえなどの強行手段にいたるようなことは避けられるでしょう。
奨学金返済困難者の救済制度1:返還期限猶予
前述してきましたが、返還期限猶予は、ローンとしての奨学金の月々の返済を一時的にストップするときに申請できる救済措置です。クリアしないといけない条件がありますが、返還期限猶予願と必要書類を提出して、申請書がしっかりかけていれば、比較的容易に審査に通るでしょう。
前職の影響で非常に高い寝屋川市の健康保険料と奨学金で月6万弱。それ払っても、やっと家族の食費まで自営で稼げるようになった。が、新しく家賃+光熱費が上乗せされると今のままじゃ赤字。ただそこはいざなったら奨学金猶予申請したらいいし、教室の生徒さん増やしていければ…うん。なんとかなる。
— メルサイア (@merusaia) February 17, 2015
審査の基準はそんなに高くはないので、延滞する前に申請し審査に通れば、一年間返済をストップできます。その後も最長10年まで延ばせることもできますので、その間に収入を増やすメドを立てて、家計を修復する努力をしていきましょう。
奨学金返済困難者の救済制度2:減額返還
10月からJasso奨学金の返済が始まるんだけど、今の状態ではとても厳しいので減額返済の申請をして承認されました。
— “でこぼこじん”なヒロアキさん( ˘ω˘ ) (@dekobokojin) September 5, 2017
毎月の返済額を1/2〜1/3に変更できるものです(そのぶん返済期間が延びます)
奨学金で困っている人は利用してみるといいかも…!
払えないよりはだいぶマシですし。 pic.twitter.com/nmn9S8Yueu
2つ目は、日本学生支援機構の救済措置として、月々の返済を半額に出来る減額返還という制度があります。半額であれば現時点で返還できる人の場合に限って審査してもらえます。少しづつでも返していきたいという人にこの制度は向いています。ただし、単純に考えても、ローンとしての特性上、月々の返済が半額になっても返済期間も2倍になります。

返済期間が延びれば、利子がついている奨学金の場合、最終的に当初借りた時よりも返還する金額は多くなってしまうと思われがちですが、日本学生支援機構の第二種奨学金は、返還期間が延びてしまっても、利息は国庫の方が負担してくれますので、総支払額は変わりませんので安心してください。

ローンは長い返済を選ぶと月々の返済は楽になりますが、長期間ローンを組むことが精神的に負担になる人には向いていません。したがって、少しでも返済できるなら、減額返還制度を利用して将来の負担を減らしていくという選択もあります。改めて自分のライフスタイルから考え直していく必要もあるでしょう。
奨学金返済困難者の救済制度3:所得連動返還
とりあえず定職ついているせいか、奨学金猶予不可だった。猶予でも減るわけじゃないけど。手取り15万だから貯金は一切できないし、奨学金終わるの50間近だし、この額で給料上がると思えないし。この国は地獄だな、50歳まで貯金はできない
— 壊れかけのAmコード (@ciel_etoile_ex) April 11, 2017
奨学金というローン、それを認識したうえで考えると、経済的不況の昨今、これから奨学金を借りようとしている人には、卒業しても返済していけるかどうかわからないと不安になってしまうことも予想されます。日本学生機構は、その不安を払拭するような制度として、2017年度から所得連動返還が開始されることになりました。
今って奨学金猶予制度があるはず…。今は最大10年?で時間固定だけど今後は所得連動型になったと思う。
— F@tonberry.elemental (@ef_ullr_FF14) December 7, 2015
所得連動返還とは、簡単に言えば、所得に応じて返済額が決められるという制度です。所得が少ないときは少なく所得が増えると返済額が上がるので、スムーズに返済ができます。しかし、ローンとしての性格は残っていて、ずっと所得が上がらない場合は、返済総額は変わらないので、ほとんど定年まじかまで返済が続く可能性も指摘されています。
奨学金は返還!猶予制度を活用しよう

奨学金のローンとしての信用審査は、学生そのものの人物に委ねられています。奨学金を借りる時にどういう人物かが重要視されるのは、お金を貸しても必ず返還してくれるという信用できる人物であるかを見られていたからとは言えないでしょうか。それならば、猶予制度をうまく利用して完済に向けて努力していくことを考えていきましょう。