特定口座は「源泉徴収あり」を選択すべき?確定申告との関係性を徹底解説!

株の取引を行う場合、「源泉徴収あり」の特定口座が便利であると聞きますが、どのように便利なのでしょうか。どの口座を選ぶかで主に税金の関係で違いが生じてきますが、なるべく負担の少ない口座を利用したいものです。今回は「源泉徴収あり」の特定口座について紹介します。

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目次

  1. 特定口座の「源泉徴収あり」のメリットや確定申告が気になる
  2. 特定口座の「源泉徴収あり」がおすすめの理由
  3. 特定口座の「源泉徴収あり」の税金の仕組み・損失が出た場合は?
  4. 特定口座の「源泉徴収あり」の確定申告で損益通算が
  5. 特定口座の「源泉徴収あり」で確定申告で還付が受けられる?
  6. 特定口座の「源泉徴収あり」で税金を払い過ぎるデメリットも?
  7. 特定口座の「源泉徴収あり」でふるさと納税で節税するには?
  8. 特定口座の「源泉徴収あり」と確定申告まとめ

特定口座の「源泉徴収あり」のメリットや確定申告が気になる

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株の取引を行う場合、特定口座の「源泉徴収あり」を持つのが便利であると聞きますが、実際にどのように便利なのか正確に説明できる人は多くないのではないでしょうか。なるべくなら負担が少ない口座で株をやりたいという気持ちはわかります。しかし、納税の手続き次第で税金の還付など懐に入ってくる金銭に違いが生じてきます。今回は特定口座の「源泉徴収あり」について詳しく紹介します。

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特定口座の「源泉徴収あり」がおすすめの理由

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特定口座の「源泉徴収あり」について説明する前に、株に係る税金について理解しておきましょう。株の譲渡益に対しては、原則として所得税及び住民税が課せられます。譲渡益に対して20%(所得税15%、住民税5%)の税率で課税されます。(実際には東日本大震災に係る復興特別所得税が付加されることにより、平成26年~平成49年分までは20.315%の税率となっています。)

上場株式等と一般株式等

一口に株といっても、上場株式から未公開株まで種類はさまざまですが、税法上では、株は大きく「上場株式等」と「一般株式等」に分けられており、この2つで課税の仕組みが異なります。

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上場株式等には、上場株式(上場新株予約権を含む)のほか、特定公社債、公募株式投信、公募公社債投信、ETFなどが含まれます。一方、株式等のうち上場株式等以外のものを「一般株式等」と呼び、これには非上場株式のほか、一般公社債、私募株式投信、私募公社債投信などが含まれます。

総合課税と分離課税

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税金の計算は、定額となっているものを除けば、「課税標準×税率」で算出されます。所得税でも同様で、所得税の課税標準は、1年間の所得の金額です。つまり、課税標準としての各種所得を積み上げて、その後、単一の税率を乗じて税額を算出する流れになります。これを総合課税方式といいます。

一方で所得の中には、「課税標準×税率」の計算から外して、分離させているものがあります。これを分離課税と呼んでいます。総合課税の対象にはせずに、分離・独立させて「課税標準×税率」による計算を別に行って税金を掛けるものであり、実は、株の譲渡益はこの分離課税の対象なのです。

株式譲渡益課税の計算

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分離課税には、所得の源泉時に分離させて課税する「源泉分離課税」と、申告の際に分離させて課税する「申告分離課税」が存在しますが、上場株式等と一般株式等の譲渡益は、原則として申告分離課税が適用されます。しかも、給与所得や事業所得などと区分して計算するだけでなく、上場株式等の譲渡損益と一般株式等の譲渡損益も区分して計算する仕組みになっています。

なお、所得税では、所得を10種類の区分に分けています。株式等の譲渡による所得は、営利性や継続性などによって譲渡所得、雑所得、事業所得のいずれかとなりますが、事業所などを設けずに個人が行っているものについては、基本的に譲渡所得に該当すると考えて間違いはないでしょう。

特定口座制度とは

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申告分離課税では、原則として投資家自らがその年の税金を計算して納税しなければなりません。しかし、1年間の株の取引の全てについて、譲渡で得た収入金額から取得費、譲渡費用などを差し引いて譲渡益を算出し、これに税率を掛けて計算するのは、とりわけ株の取引を頻繁に行う者にとってはかなりの負担になります。

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そこで、投資家の負担を軽減するため、簡易に納税ができる仕組みとして特定口座制度が設けられています。特定口座の申し込みは、証券会社や銀行等で受け付けており、新たに株取引の口座を開く人が証券会社等での口座開設を行う際、特定口座への申込手続きを同時に行うことになります。

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特定口座は、1つの証券会社等ごとに1口座しか作れませんが、複数の証券会社等に複数の特定口座を持つことは可能です。また、1つの証券会社等において、一般口座(納税面での事務が行われない普通の口座のこと)と特定口座を併設することも認められています。

特定口座の種類

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特定口座には、「源泉徴収あり」の特定口座と、「源泉徴収なし」の特定口座の2種類が存在しています。前者を「源泉徴収選択口座」、後者を「簡易申告口座」などと呼ぶことがあります。以下、特定口座のうち、主として「源泉徴収あり」のメリットについて紹介します。

①年間取引報告書作成の手間がない

上場株式等の譲渡所得等及び配当所得の申告手続

特定口座を利用して上場株式等の取引をした場合は、証券会社等が年間の損益をまとめた報告書(年間取引報告書)を作成して、翌年1月末までに投資家に交付してくれます。これは、源泉徴収のあり・なしにかかわらず共通です。この年間取引報告書があれば、年間の譲渡所得の金額等が明確であり、これを確定申告書に添付することで簡単に申告・納税できるようになります。

②収益があっても扶養から外れない

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扶養に入っている年収の低い親族(配偶者)が株で儲けてしまうと扶養から外れてしまうのではないかという疑問が生じるかもしれません。扶養控除の要件は、合計所得金額が38万円(給与収入のみの場合は103万円)です。したがって、これ以上を儲けると、原則として扶養の対象から外れてしまいます。しかし、特定口座の「源泉徴収あり」を選択している場合は、基本的にはいくら儲けようと扶養から外れることはありません。

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これは、特定口座の「源泉徴収あり」の税金については、次に説明するように所得税が源泉徴収され、その時点で課税関係は終了しています。税務当局も、確定申告されていない以上、源泉徴収された者の所得までいちいち把握することはありません。逆に言えば、その人が確定申告をする場合(複数の特定口座を保有していて還付を受ける場合など)は、税務当局は所得金額を把握することになりますので、扶養から外れてしまうことがあります。

③確定申告の手続きの手間がない

特定口座の「源泉徴収あり」を選択すると、その名のとおり、所得税が源泉徴収されます。具体的には、投資家が上場株式等を売却する都度、証券会社等は譲渡損益を計算し、譲渡益から所得税を源泉徴収(天引き)して、残りの額を口座内に支払するということになります。

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このように、特定口座の「源泉徴収あり」では、所得税は譲渡益が発生するたびに、証券会社等が投資家に代わって徴収し、税務署に納付しているので、投資家は確定申告・納付をする必要がないということになります。ただし、確定申告をしなくてよいというだけであって、確定申告をすることもできます。

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なお、特定口座で源泉徴収をしてもらうかどうかの選択は、その年の最初の取り引きまでの間に決定しておく必要があります。一度どちらかを選択して取引等を行うと、その年の途中では変更ができません。

④口座内の損益通算が簡単にできる?

株式等の譲渡所得等の申告は「確定申告書等作成コーナー」で!

損益通算とは、利益と損失を合算することをいいます。口座内の損益通算についてはのちほど詳述しますが、特定口座の「源泉徴収あり」には、上場株式等の配当金も受け入れることが可能です。この配当金についても受入れの際源泉徴収されるわけですが、源泉徴収税額を計算する際、上場株式等の譲渡損失がある場合には、配当等の額からその損失額を控除した額に対して源泉徴収税額が計算されます。

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どの口座を選ぶべきかについては、株の取引をどれくらい頻繁に行うか、税金を自ら納付するか、計算や手続きが得意か否かなどを総合的に判断して決めるべきですが、上に見るとおり、特定口座の「源泉徴収あり」はメリットが多く、迷ったら特定口座の「源泉徴収あり」を選択しておくのが無難であると思われます。

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特定口座の「源泉徴収あり」の税金の仕組み・損失が出た場合は?

株や投資信託にかかる税金

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投資信託は、投資家が資金を専門家である運用会社に信託し、その会社が株式や不動産などに投資し、運用結果を投資額に応じて投資者に分配する仕組みです。投資信託にも様々な種類がありますが、特定の株価指数などに連動することを目的に運用される投資信託で東京証券取引所に上場されている(ETF)や、公募株式投資信託の受益権の扱いは、上場株式と同様です。株に係る投資信託は、上場株式と同じと考えておけばよいでしょう。

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つまり、上場株式や公募投資信託の受益権には、所得(利益)が発生する際に所得税が掛かることになり、売買や解約などで手放した際の利益に係る譲渡所得と、保有している場合に支払われる配当金・分配金に係る配当所得があります。

確定申告が不要な条件

株や投資信託をやっていて確定申告が不要な場合は、以下のいずれかの場合です。一つには、上記で説明しているとおり、特定口座の「源泉徴収あり」を利用している場合です。二つ目は、年間を通じて株や投資信託で損失が出ている場合です。上記のとおり、所得税は利益が出てはじめて納税するものです。また、その計算期間は1年間で行うので、例え一時的に儲かっても年間トータルで損失が出ている場合には確定申告は不要です。

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このほか、一般口座や「源泉徴収なし」の特定口座を利用している人の譲渡益を含めた所得金額が、所得控除の額(基礎控除のみであれば所得税38万円)より少ないケースや、年末調整済みのサラリーマンで、給与所得や退職所得以外の所得が、一般口座や「源泉徴収なし」の特定口座の譲渡益を含め20万円以下のケースでは、所得税の確定申告をする必要はありません。

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このように、一般口座や特定口座の「源泉徴収なし」の場合は、所得を再計算してみてはじめて確定申告の要否が分かると言えますが、特定口座の「源泉徴収あり」の場合は、利用しているだけで確定申告の義務はなくなりますので、とにかく納税の手間をかけたくないという人にはおススメです。

損失の繰越控除

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損失の繰越控除とは、法人や個人の所得課税で認められる制度です。ある一事業年度に大きな損失を発生させた場合、当然のことながら、その年度に納税する必要はないのですが、翌年たまたま利益が出たからといって、その年に納税しなければならないとするのは少々酷であると言えます。

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所得金額の計算は、1年間の期間計算が原則ですが、損失の繰越控除は、一種の救済措置として認められるものです。株式等の譲渡所得の損失においても認められており、その年に生じた損失の金額を翌年以降最長3年間にわたって繰り越すことが認められています。

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この繰越控除を受けるためには確定申告が必要です。また、繰り越した損失を控除できるのは、上場株式等の譲渡益及び申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得及び利子所得に限られ、普通の給与等の所得から控除できるわけではないことに注意しましょう。

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翌年以降、この繰越控除制度を適用することで、その年の株取引でプラス収支になったとしても源泉徴収された所得税額の還付を受けることが可能です。繰越した損失の金額が分かるよう控えをしっかりと保管し、翌年以降に確定申告してしっかりと還付を受けるようにしましょう。

特定口座の「源泉徴収あり」の確定申告で損益通算が

損益通算とは

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損益通算とは、損失と利益を合算することを意味します。所得税ではいろんな種類の所得があり、最終的に税額を算出するまで計算の順序が定められており、いろんな場面でこの損益通算が問題になります。つまり、損益通算にも同じ所得区分内での損益通算もあれば、所得間の損益通算もあります。

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上記の上場株式等の配当所得と譲渡損失の通算は、所得間の損益通算です。一方、同じ所得区分内の損益通算もあり、例えば複数の特定口座を保有して株の譲渡を行った場合は、特定口座ごとの損益通算をすることができます。また、税法上は、「上場株式等」という括りで所得を計算しますので、「上場株式等」に分類される金融商品であれば、これら金融商品間の損益通算も可能です。

複数の口座での取引が通算できる

すでに説明したとおり、特定口座は1証券会社につき1つしか認められていません。裏を返せば、証券会社を変えれば複数の口座を保有することも可能です。この場合は、口座間の損益通算が可能です。ただし、そのためには確定申告が必要です。片方の口座が黒字で片方の口座が赤字の場合には、損益通算して黒字分の税金を還付できる可能性がありますので、確定申告をした方がメリットが大きいと言えます。

金融商品同士の通算が可能なことも

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上場株式等に分類されるものは同じ括りで課税されます。上場株式等には、上場株式、ETF(上場投資信託)の受益権、上場不動産投資法人の投資口(J-REIT)、上場未公開株式等投資法人の投資口(ベンチャーファンド)、上場している外国の投資法人の投資口(カントリーファンド)のほか、上場新株予約券付社債、公募株式投資信託の受益権、特定公社債、公募公社債投資信託の受益証券などが存在します。

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これら金融商品を個別にみると、ある商品はプラス、ある商品はマイナスという譲渡結果になることが想定されます。これら金融商品ごとの損益通算を行い、上場株式等の譲渡所得を確定し、その所得額に基本税率20%が課せられることになります。

譲渡損と配当金や分配金も通算できる

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同じ所得区分内での損益通算を行い、譲渡所得等が損失の場合、次に別の所得との間で損益通算(所得間の損益通算)を行います。しかし、前述のとおり、株の譲渡所得は分離課税です。他の種類の所得との間はもちろん、不動産譲渡や一般株式等の譲渡所得など同じ譲渡所得との間の損益通算も認められていません。ところが例外的に、取引実務上メリットの大きい上場株式等の配当等との損益通算は認められています。

特定口座の「源泉徴収あり」で確定申告で還付が受けられる?

源泉徴収は課税当局からすれば便利な制度で、お金が支払われる(所得が発生する)源泉の段階で税金が徴収して納めさせようとするものです。お金を支払者は、お金をもらう人の属性というのを十分に把握してはいません。お金をもらう人が誰を扶養していて、他にどういう所得や赤字があるかなどの情報は、お金を払う側は把握する必要はありません。

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税務署がそのような機微な情報を取り扱うのならともかく、証券会社等にそのような情報を収集させて、税金を軽減させたりするのは、煩雑です。つまり、お金を支払う段階での課税(納税)は簡素な反面、諸々の事情を考慮することができず、必然的に、所得税の額が高額になっている可能性があります。

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税務署がご丁寧に還付が受けられることを知らせてくれるわけではありません(これを知っていれば振り込め詐欺などには掛からないはずです)。納税者が自己の権利として還付のための手続きを取る必要があるのです。確定申告を行うのは手間で面倒という人も多いと思われますが、税金の還付を受けることができるなど自己にメリットがあるのであれば、少々面倒な手続きでも甘受して行うようにしましょう。

損益通算と繰越控除で還付の可能性が

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特定口座を複数の証券会社で保有している場合、例えば、Aという特定口座では損失が、Bという特定口座では利益が生じている場合、損益通算をして、B口座で徴収されている所得税について還付を受けることができる場合があります。(実際に還付を受けられるかどうかは、他の所得と総合的に判断する必要があります。)

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さらに、A口座とB口座の損益を通算した結果、損失が上回っているという場合は、この損失額を翌年以降に繰り越しすることも可能です。翌年以降に繰り越された損失は、翌年に生じる上場株式等の所得から控除することが可能です。したがって、翌年以降についても確定申告で所得税の還付を受けることができる可能性があります。

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この譲渡損失の繰越控除は、譲渡損失が生じた年から繰越控除を受ける年まで継続して確定申告書を提出する必要があります。確定申告書は上場株式等の売買を行っていない年についても提出しなければならないため、少々手間であると言えます。しかし、20%の税金の還付は大きなメリットであり積極的に活用すべきです。

配当控除で還付の可能性

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還付を受けられる可能性があるのは、何も上場株式等の譲渡損失が発生した時だけに限りません。税制上の減額措置を活用することにより、源泉徴収された所得税額の還付を受けられる可能性がありますのでご紹介します。なお、これらの減額措置の利用するには、確定申告を行う必要があります。


一つには、配当控除を適用することにより所得税の還付を受けられる可能性があります。配当控除とは、剰余金の配当などの配当所得があるときに、一定の方法で計算した金額の税額控除のことです。配偶者控除や扶養控除などの所得控除が、税率を乗じる前の所得から控除するものであるのに対し、税額控除は、税率を乗じた後の税額から控除するものです。

この配当控除を適用することにより、すでに納付した所得税額が納付すべき所得税額を上回れば(すなわち払い過ぎの状態の場合)、所得税の還付を受けることができます。なお、配当控除を受けることができる配当所得は、日本国内に本店のある法人から受けるものに限られます。つまり、外国法人から受ける配当等は対象になりません。また、配当控除を受けるためには、配当所得を確定申告において総合課税の対象にする必要があります。

「源泉徴収あり」の特定口座の場合、特定口座内に上場株式等の配当金を受け入れることもできます。しかし、これは源泉分離課税の対象になっていますので、確定申告を行って、配当所得を分離課税ではなく総合課税の対象として扱う必要があります。

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配当控除の額は、課税総所得金額等に応じて変動しますが、例えば課税総所得金額1,000万円以下の人の場合、所得税においては剰余金の配当金の10%が、住民税においては剰余金の配当金の2.8%の配当控除を受けることが可能です。

配当金については、分離課税では一律20%の税率で源泉徴収されますが、総合課税の場合、所得税・住民税の税率は15%~55%の累進税率になります。つまり、総合課税で所得税率が低い層、すなわち15%や20%が適用される場合、配当金に関しては税額が半分以下になることが見込まれますので、確定申告により総合課税を選択した方が得であるといえます。

所得控除で還付の可能性

もう一つは所得控除の活用です。所得控除とは、各納税者の個人的事情を加味して、各種所得の金額の合計額から差し引くことができる一定の額のことです。所得控除にはいくつか種類があり、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除があります。

しかし、所得税では基礎控除として38万円が控除されることを考慮すると、少なくとも年38万円までは儲けがあったとしても税金は納めなくてもよいはずです。例えば年30万円の株の譲渡所得が発生している場合、源泉徴収ありの特定口座の場合、実に6万円が税金として徴収されているわけですが、確定申告をすれば、基礎控除が認められますから、この6万円は還付を受けることが可能なのです。

特定口座の「源泉徴収あり」の場合、源泉徴収時に所得控除は一切考慮されません。譲渡益が発生するたびに、一律20%分が税金として徴収されます。所得控除は、納税者の個人的な事情に配慮した措置であり、1年間の期間計算を行う際利用できる措置であるため、譲渡があるたびごとに徴収される源泉徴収のもとでは、利用ができないものとなっています。

このように儲けが少額の場合には、基礎控除を適用して税金の還付が受けられる可能性があります。ただし、上場株式等の譲渡所得等に各種所得控除が適用できるのは、その年の総所得金額等から控除しきれない場合に控除されます。すなわち、給与所得等の所得があれば、まずはそれに基礎控除等の所得控除は充当されるということに注意しましょう。

なお、当然のことですが、確定申告を行う際、特定口座に受入れる際すでに源泉徴収された配当金に係る所得税の額は、納付すべき税額の計算上控除することができますので、とられすぎになるなどの心配はいりません。

特定口座の「源泉徴収あり」で税金を払い過ぎるデメリットも?

特定口座の「源泉徴収あり」は手間が掛からないというメリットがある反面、払う必要がない税金を払ってしまっているという点に注意する必要があります。先に挙げた確定申告で受けられる基礎控除を受けられず、税金を納めてしまっているというのもその一例です。

譲渡所得の税金を払わなくてもよい場合

多くのサラリーマンは、年末調整で給与の課税関係は終了し、確定申告を行う必要がないことはご存知でしょう。その延長で、年収2,000万円以下の給与所得者で、給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下の場合は、所得税の確定申告をしなくても良いことになっています。少々稼いだくらいで確定申告させるのは気の毒だと考えられたのでしょう。

すなわち、一般口座や「源泉徴収なしの特定口座」を利用している者の場合、株で少々稼いだからといってかならず確定申告しないといけないわけではありません。なお、この20万円以下の申告不要制度は、あくまで所得税において認められるものであり、地域の会費的な性格を有する住民税の場合には申告不要とはならないことに注意しましょう。

「源泉徴収あり」では税金を払い過ぎる場合も

では、上記のケースで「源泉徴収あり」の特定口座の場合はどうなるのでしょうか。同じケースで年20万円の儲けの場合、4万円の税金が徴収されていることになります。一般口座や「源泉徴収なし」の特定口座の場合、この4万円は申告納付する必要がない税金ですが、残念なことに「源泉徴収あり」の特定口座だとこの4万円はすでに納税されていて取り戻すことができないお金です。

このように、「源泉徴収あり」の特定口座の場合、税金を払いすぎる場合もあることに注意が必要です。あまり頻繁に株取引を行わない人とか、高額の儲けを考えていない人の場合は、「源泉徴収なし」の特定口座を選択するのもよいでしょう。

特定口座の「源泉徴収あり」でふるさと納税で節税するには?

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特定口座の「源泉徴収あり」とふるさと納税との間には密接な関係があります。「ふるさと納税」とは、「納税」という言葉がついていますが、実際には都道府県や市町村への「寄附」であり、確定申告を行うことでその寄付金額の一部が所得税及び住民税から控除される制度です。税制上は、上記で説明した配当控除と同様の「税額控除」に当たります。

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ふるさと納税では、原則として自己負担額である2,000円を除いた全額が控除される仕組みになっています。つまり、税制上では2,000損をする仕組みなのですが、実際には寄附してもらった自治体から「返礼品」という形でさまざまな特産品が送られてくるのが実情となっており、2,000円を負担するだけで他の自治体を応援しつつ特産品も受け取れるおいしい制度となっています。

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この制度は、一般に寄附する額が大きくなればなるほど、返礼品が豪華なものになるという特徴があります。つまり、高所得者ほど寄附できる額が大きいといえますので、高所得者に有利な制度であるとの批判もなされているところです。

株取引などで控除限度額が増える?

このように、高額所得者は、多くの所得税を納めているので、その分ふるさと納税による節税効果(控除限度額)が大きいのです。さらに豪華な返礼品ももらえるわけですから、この制度を利用しない手はありません。同様に、株取引で大きく稼ぐ人にも所得税が多く課税されますが、儲けが多くなれば寄附に回せるお金も多くなるので、節税できる額が増えることになります。

ふるさと納税の控除を受けるための手続き

ふるさと納税の控除を受けるには2つの方法があります。一つは、自治体から送付される受領書を添付して確定申告を行い、控除(還付)を受ける方法です。もう一つは、ワンストップ特例制度を利用する方法です。詳述は避けますが、確定申告を行わない方法で、所得税ではなく住民税から控除を受ける方法です。

とりわけ、特定口座の「源泉徴収あり」の場合は、そもそも所得税の確定申告をする必要がないので、ワンストップ特例制度を活用して簡単に手続きをした方が便利であるといえます。

確定申告する場合の注意点

このワンストップ特例制度は、もともと確定申告や住民税申告をする必要のない給与所得者等が利用できる制度です。上記で説明した、年収2,000万円以下の給与所得者で、給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下の場合は、所得税では確定申告は不要ですが、住民税では申告が必要になります。

住民税で申告をする場合、ワンストップ特例制度が利用できないため、ふるさと納税の適用を受けようと思えば所得税で確定申告を行う必要があります。その場合、前提として、株などの所得についても申告する必要が出てきます。控除額ばかりに目が囚われるあまり、全体の税負担の増加というデメリットを喰らう恐れもありますので注意が必要です。

また、源泉徴収ありの特定口座の場合はいくら稼ごうと確定申告する必要はありませんでしたが、国税当局は当該「源泉徴収ありの特定口座」利用者の所得を把握していないので、確定申告をしない限り、ふるさと納税による控除限度額が増えることはありません。したがって、株式の譲渡所得分も合わせてふるさと納税の控除限度額を増やしたいという人は、確定申告をする必要があることになります。

ただし、これにより、国税当局に株式の譲渡所得を含めた所得額が把握されることになりますので、その結果、所得金額を基準として制度設計されている国民健康保険料や児童手当、その他各種助成金などに波及してくるリスクも覚悟しておく必要があります。

特定口座の「源泉徴収あり」と確定申告まとめ

特定口座の「源泉徴収あり」について説明しました。株に係る税金は一筋縄に行きませんが、実際申告したらどれくらいの還付になるかなどは国税庁のホームページの確定申告書等作成コーナーでも確認ができます。税金の還付など確定申告するメリット・デメリットをしっかりと把握して、株の運用を有効に行えるようにしましょう。

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