株式公開買い付けとは?メリット・デメリット・売却方法まで徹底解説!

投資を行っていると、保有中の銘柄がTOBの対象になる場面に遭遇することがあります。株式公開買い付けの報道後は、株価の変動幅も大きくなり、損失を被る可能性もあります。今回は、株式公開買い付けのメリットやデメリットから、売却方法などを紹介していきます。

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目次

  1. 株式公開買い付け・TOBについて知っておくべき
  2. 株式公開買い付け・TOBとは?
  3. 株式公開買い付け・TOBでの応募や売却方法とは?
  4. 株式公開買い付けのメリットやデメリットは?
  5. 株式公開買い付け銘柄の株価変動で利益を上げるには?
  6. 株式公開買い付けのメリットやデメリットまとめ

株式公開買い付け・TOBについて知っておくべき

出典: http://itsa-money.secret.jp

株式市場には企業の業績や経済的影響など、株価変動の要因となるさまざまな動向があります。株式公開買い付けも、株価変動を大きくさせる要因のひとつです。急激な株価上昇により、大きな恩恵を受けるメリットもありますが、購入や売却時のタイミングを間違えると、損失の拡大にも繋がってしまいます。今回は株式公開買い付けの際の売買方法や、メリット・デメリットなどについてまとめています。

株式公開買い付け・TOBとは?

株式公開買い付け・TOBとは何をすること?

出典: http://groop.tokyo

株式公開買い付けとは、ある企業の経営権を得るために、買い付けの価格や買い付けの期間を提示したうえで、不特定多数の株主や投資家から対象銘柄の株式を、証券取引所を介することなく、市場外で買い集める制度のことで、日本国内ではTOBを呼ばれています。

TOBをする意味とは?

出典: http://kiyosawayoshihiro.com

通常、ある銘柄を購入する際には株式市場を介して売買が行われるため、大量の株式を買い集めると、そのインパクトにより株価の急激な上昇を招くことも多く、希望価格での株式購入が困難となる場合があります。しかし、市場外で買い集めることができる株式公開買い付けという制度を利用すれば、株価変動のリスクを負うことなく株式を購入することができます。

株式公開買い付けの歴史

出典: https://bkmr.booklive.jp

日本国内で初めて株式公開買い付けの制度が導入されたのは1971年です。ライブドアによるニッポン放送のTOBや村上ファンドによる阪神電気鉄道のTOBなど、株式市場の公平性を揺るがす出来事をきっかけに、2005年の証券取引法改正によって制度の見直しが実施され、現在ではさまざまな規則が義務付けられています。

TOBには友好的と敵対的が?

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株式公開買い付けには、友好的TOBと敵対的TOBの2つがあります。友好的TOBとは、株式公開買い付けに応じる側の企業の賛同を得て制度を実施することをいいます。一方で、株式公開買い付けの対象となっている企業の賛同を得ることなく実施するTOB制度のことで、対象企業側が事前に既存株主へ新株予約権を発行するなどの、さまざまな買収防衛策を行う場合が多いです。

三井住友銀行による株式公開買い付けの事例

出典: https://firststyle.jp

2011年に三井住友銀行がプロミスに対して実施した友好的TOBでは、買い付け価格が1株780円という報道を受けて、プロミスの株価は3日間で約45%もの急激な株価上昇をみせました。その後、株価は1073円まで上昇しましたが、三井住友銀行によるプロミスの株式交換と完全子会社化によって、2012年にプロミスは上場廃止となりました。

アクサスによる株式公開買い付けの事例

出典: http://tokyo-sundubu.net

友好的TOBの事例として、2009年にアクサスがナカイに対して実施したTOBがあります。三井住友銀行のTOBの際とは異なり、TOBの報道後も、急激な株価変動がみられることはなく、緩やかな株価上昇を続けました。その後、整理銘柄に指定され、同年の7月末にアクサスによる完全子会社化が完了したため、ナカイは上場廃止となりました。

米系ファンドによる株式公開買い付けの事例

出典: https://fx-ume.com

敵対的TOBの有名な事例として、スティール・パートナーズというアメリカの投資ファンドが明星食品に対して実施した公開買い付けがあります。スティール・パートナーズの敵対的TOBを阻止するために、日清食品が友好的TOBを実施したことで、スティールパートナーズの応募は不成立となりました。その後、明星食品は日清食品の完全子会社となり、2007年に上場廃止となりました。

王子製紙による株式公開買い付けの事例

出典: https://hardrockman.com

スティールパートナーズと同様に、王子製紙が北越製紙に対して実施した敵対的TOBも有名な事例のひとつです。北越製紙側の経営陣などからの強い反発により、敵対的TOBに踏み切った王子製紙でしたが、三菱商事からの出資を受けた北越製紙が、筆頭株主でもある三菱商事の傘下に入るという発表をしたため、王子製紙のTOBは失敗に終わりました。

株式公開買い付けによる株主への影響

出典: http://u-note.me

株式公開買い付けが実施されると、投機を目的とした資金も大量に流入してくるため、株価の変動幅が非常に激しくなる傾向にあります。そのため、既存株主にとってはキャピタルゲインの恩恵を受けるメリットも生じますが、敵対的TOBの際には、企業側がさまざまな買収防衛策を講じるため、株式の希薄化などのデメリットも生じる可能性があります。

海外の株式公開買い付け

出典: http://preco.co.jp

イギリスでは、企業の30%を超える株式を取得した場合などは、すべての発行済み株式を現金で購入するという、公開買い付けを強制する制度が採用されています。一方で、アメリカでは公開買い付けを強制する制度は採用されていませんが、市場の価格以上での株式の取得や、公平性に欠ける条件提示などのケースでは、制度が適用される場合があります。

日本の株式公開買い付け

出典: http://days-works.xsrv.jp

日本国内で実施される株式公開買い付けは、友好的TOBの場合が非常に多く、敵対的TOBによる企業買収のケースはほとんどありません。スティール・パートナーズや王子製紙などのように、敵対的TOBを実施する企業もありますが、買い付けが失敗に終わる場合が多いことや、買収防衛策による株主への悪影響が生じることもあるため、敵対的TOBについては批判的な見方も多いのが現状です。

株式公開買い付け・TOBでの応募や売却方法とは?

TOBの申込株数で成立するかが決まる?

出典: http://ssoubakan.com

申込株数を集計する際に、買い付けの数が当初予定していた数量に達している場合は、株式公開買い付けの実施が可能となりますが、予定していた数量に達していない場合には、再度買い付けの募集をすることになります。買い付けそのものを撤回する方法もありますが、金融商品取引法の要件を満たす場合のみ、TOBの撤回が認められます。

TOBの申込は証券会社へ?

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株式公開買い付けの申込を行う際には、証券会社への申し込みが必要不可欠となります。応募の手続きなどの実際の業務は、証券会社が代わりに行うことになりますが、買い付け代理人となる証券会社の口座の有無などの状況の違いによって手順も異なってきます。また、公開買い付けには申し込みのできる期間が設定されているので注意が必要です。

株式公開買い付けでの応募について

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株主の代わりに買い付けを実施している証券会社の口座をすでに用意していて、その口座でTOBの対象となる銘柄を保有している際には、株式公開買い付けの応募を行うだけで申し込みが完了します。しかし、代理買い付けを行う証券会社の口座を用意していない際は、その証券会社の口座を開設したうえで、保有中である対象銘柄を、株主の代わりに買い付けを実施している証券会社の口座に移動させることになるため注意が必要です。

株式公開買い付けでの売却方法

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TOBでの株式売却の際にはいくつかの選択肢があります。株価動向を確認してから市場で売却する方法の場合、迅速に現金化ができるメリットがありますが、売却時に手数料が生じるデメリットがあります。そのまま保有するという方法もありますが、完全子会社化を目的とした公開買い付けなどの場合は、TOB終了後に強制取得されてしまうため、事前に上場廃止予定などの記載を調べる必要があります。

株式公開買い付けのメリットやデメリットは?

TOBに応じないメリットやデメリット

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TOBの申し出に応じない場合は、市場での株式売却が一般的な方法となります。買い付けの際に提示される価格以上に株価が上昇するケースも非常に多いため、より大きなキャピタルゲインを得ることができますが、敵対的TOBの際には、買収防衛策の影響を受けて株価が大きく下落してしまうデメリットが生じます。また、上場廃止予定のあるTOBもあるので注意が必要です。

TOBに応じるメリットやデメリット

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TOBの申し出に応じる場合は、通常、売却の際に発生する売買手数料が生じないというメリットがあります。しかし、買い付け代人となる証券会社の口座開設や応募の手続きなどの際に、相当の時間を費やしてしまうデメリットがあります。また、応募の最中に株価が大きく下落していまうケースがあるというのもデメリットのひとつです。

株式公開買い付けをする側のメリット

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大量の株式を集めることができるTOB制度は、株式公開買い付けをする側にとって大きなメリットとなります。また、市場の株価変動の影響を受けることなく、一定の希望価格で株式を購入することができる点もメリットのひとつです。投資家にとっても、保有株の売却の選択肢が増えることになるので、株主のなかにはTOB自体を快く受け入れる方も少なくありません。

株式公開買い付けをする側のデメリット

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株式公開買い付けのなかでも、特に敵対的TOBを実施する場合には、対象企業が行うさまざまな買収防衛策によって、得られる利益が大きく減少してしまうデメリットがあります。また、日本国内ではライブドアや村上ファンドなどのTOB報道以降、敵対的TOBを批判的な視点で捉える株主が非常に多くなったため、敵対的TOBを実施する企業のブランドイメージの低下というデメリットもあります。

株式公開買い付け銘柄の株価変動で利益を上げるには?

保有株がTOBの対象となった場合の対応方法は?

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保有株が株式公開買い付けの対象となった場合、TOBに応募して保有株を買い取ってもらう方法が一般的となります。すべての保有株を買い取るTOBの際には、応募したすべての株式が買い取りの対象となります。しかし、一部の保有株を買い取るTOBの際は、買い取りが行われなかった株式のみを、株主に返却することになるので注意が必要です。

TOB銘柄のプレミアムを狙うには?

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TOB銘柄のプレミアムを狙うためには、業種や企業の規模など、TOBの対象となりやすい企業の特徴を把握することが非常に重要となります。業種の傾向としては、固定資産の比率が低く、即金性の高いサービス業や通信業がTOBの対象銘柄となることが多いです。また、大型株よりも将来の成長性が見込める小型株がTOBの対象銘柄となる傾向にあります。

TOB銘柄の一部買付と全部買付に注意?

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TOBには、全部買付と買い付けの上限数が定められている一部買付の2つがあります。全部買付の場合は、指定の証券会社にTOBの申し込みをすることで、すべての保有株を確実に買い取ってもらえますが、一部買取の場合には、上限数を超える株式は買い取りの対象外となるため、提示されているTOB価格で買い取ってもらえないというリスクが伴います。

TOB銘柄で利ざやを稼ぐには?

出典: https://tsururupon.com

TOB銘柄で利ざやを稼ぐにはさまざまな方法がありますが、TOBが実施された銘柄を保有していない場合には、全部買取のTOBの際に生じる歪みを狙った方法がおすすめです。TOBが完了する少し前になると、株価が下落するケースがみられるため、その下落を狙って株式を購入することで、提示されているTOB価格との差額がキャピタルゲインとなります。比較的リスクの少ない方法のひとつとなります。

ディスカウントTOBで利益を上げるには?

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ディスカウントTOBとは、株式市場の価格よりも低い株価で買い付けを実施する買い付けのことをいいます。既存株主が通常の提示価格では買い付けに応じない場合に、ある程度まとまった株式を買い付けやすくする目的で行われる方法です。ディスカウントTOBが実施されると株価が下落する傾向があるので、その下落を狙って株式を購入し、歪みが解消された場面で売却することで利益を上げることができます。

TOB銘柄の見つけ方

出典: http://world-ai-club.com

TOB銘柄を見つけるためには、業種や企業規模の分析が大切になりますが、日頃から四季報や決算発表の内容などをチェックすることも非常に重要となります。TOBの対象となる企業は、総じて割安水準で放置されている場合が多いので、四季報での銘柄選びは必須となります。また、四季報には各企業の財務状況や業績の推移など、企業の健全性を把握するために必要な情報が多く掲載されているので、徹底した分析の際にはおすすめです。

TOB銘柄の取引に伴うリスクとは

出典: https://kabulib.com

TOB銘柄の取引の際に最も注意が必要なのは、TOB報道後の株価変動リスクです。既存株主による市場での保有株の売却や投機目的の資金など、さまざまな資金の大量流入によって、普段とは比較にならないほどの大きな株価変動が発生するため、投資を始めて間もない方や集中投資をする方などは、大きな損失を被る可能性があるので注意が必要です。

TOB銘柄における投資スタンス

出典: https://www.nexway.co.jp

保有している銘柄がTOBの対象となった場合や、TOB報道後の株価の乱高下を狙った場合など、株主や投資家の状況によって投資スタンスはさまざまなので一概には言えませんが、TOBの対象となる銘柄を予測して事前に株式を購入する方法は、相当の知識と経験が必要となるので、一般的にはTOB報道後の大きな株価変動の際に、短期間で利ざやを稼ぐスタイルが多いです。

TOB銘柄の取引をするために資金はいくら必要か

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TOB銘柄の取引をする際には、ある程度まとまった資金が必要となります。しかし、割安株や新興市場などの小型株がTOBの対象となりやすいため、通常の取引に比べると、投資金額を抑えることができます。また、短期投資になるケースが多いため、資金効率を高めることもできます。投資家のなかには、信用取引を利用してTOB銘柄を取引する場合がありますが、非常にハイリスクハイリターンな方法となるので慎重に検討する必要があります。

少額資金で取引できるTOB銘柄とは

出典: https://something-plus.com

TOBの対象となる銘柄が多い市場として、マザーズなどの新興市場が挙げられます。最近では、インバウンドインベストメントが、不動産投資事業などを手掛けるイントランスに対してTOBを実施しました。提示されたTOB価格は153円でしたが、大量の資金流入によって株価は200円ほどまで上昇しました。イントランスのように少額資金での取引が可能なTOB銘柄は他にも多く存在するので、日頃の分析が非常に大切となります。

株式公開買い付けによる損益への課税

出典: https://hardrockman.com

株式公開買い付けによって保有株を譲渡した際にも、通常の株式投資によって生じた売買収益にかかる分離課税と同様の税金が適用されます。買い付け代理人となる証券会社の特定口座で保有株を譲渡した場合は、通常、収益の計算が行われますが、源泉徴収なしを選択した特定口座の場合には、一般口座と同様に、株主自身で確定申告を行うことになるので注意が必要です。

株式公開買い付けのメリットやデメリットまとめ

株式公開買い付けの基本的な知識から、メリットやデメリットなどについて紹介してきました。いかがでしたでしょうか?株式公開買い付けは、対象となる企業の今後の経営状況を左右する制度でもあるので、既存株主の判断が非常に重要となります。また、株式公開買い付けは、TOB銘柄を保有していない投資家にとっても、利益を上げる大きなチャンスとなります。今回紹介した方法などを参考に、適切な判断や投資をされていただけると幸いです。

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