法人税とは何?税率や計算方法など基本知識・節税方法を徹底解説!

法人税とは経営において必須知識となる税金のひとつです。海外の先進国の税率と比べても、日本の法人税は、課税される税金の中でも非常に比重の高い税金です。今回は、法人税の税率や計算方法などの基本的な知識から節税方法まで、法人税とは何なのかを紹介していきます。

法人税とは何?税率や計算方法など基本知識・節税方法を徹底解説!のイメージ

目次

  1. 法人税とは?税率と計算方法などを解説!
  2. 法人税とは何?種類も解説
  3. 法人税の種類を解説
  4. 法人税の掛からない法人がある?
  5. 法人税の税率と計算方法
  6. 法人税の申告と納付の仕方!納税地はどこ?
  7. 法人税を節税する方法はある?税率を比較!
  8. 法人税の税率や計算方法などまとめ

法人税とは?税率と計算方法などを解説!

出典: https://happylive.hatenablog.com

日本には約410万社の会社が存在していますが、ここ数十年で100万社近くの会社が倒産している事実はあまり知られていません。安定した会社経営を維持するためには、法人税の仕組みを把握しておくことが必要不可欠です。しかし、法人税にはさまざまな種類があり、ケースによっては赤字の場合でも納税をしなければならないことがあります。今回は法人税の税率や計算方法などの基本的な知識と、節税方法についてまとめています。

法人税とは何?種類も解説

法人税とは

出典: https://gakumado.mynavi.jp

法人税とは、消費税や所得税と並ぶ日本の主要な国税のひとつで、企業の所得金額などを対象に課税される税金のことをいいます。直接税に分類される国税でもあり、法人税の他にも、所得税や住民税なども直接税として分類されています。国税総額における法人税の割合は、所得税と同様に非常に高く、国の運営にとって重要な収入源となっている税金です。

法人税と税率の歴史

出典: https://eikaiwa.dmm.com

所得税と共に明治時代に導入された法人税は、1940年の税制改正までは、法人税は所得税の一部とされていましたが、1950年の税制改正以降は、法人税法と所得税法に区分されるようになりました。日本の法定実効税率は30.86%と、国外の先進国と比べても高水準で推移しており、その税率の高さが国内企業の海外移転に拍車をかけていると主張されています。

法人税と所得税の違いとは

出典: https://www.gea.com

法人税と所得税の最も大きな違いは、課税方式の制度にあります。所得金額が一定以上になると、超過金額に高い税率を課す超過累進課税を適用している所得税に対して、法人税は課税標準の大小に関係なく、一定の税率で課税する比例税率を適用しています。また、所得に該当する範囲や所得控除の有無など、法人税と所得税にはさまざまな違いがあります。

海外の法人税と税率

出典: https://eotokyo.org

高い消費税率と低水準の法人税率を適用する欧州の政策の一方で、アメリカでは法人税率を下げて消費税率を上げるなど、諸外国によって税率や政策はさまざまですが、多くの国が消費者への負担が大きくならないように、日用品に対しての税率を低くするなどの配慮をしています。しかし、シンガポールやアイルランドなど、非常に低い法人税率を適用している国もあり、その過度なタックスヘイブンによって生じた不均衡が問題視されています。

日本の法人税と税率

出典: https://sunkodo.com

2012年の段階で37%だった法人税の法定実効税率を、第二次安倍内閣では、経済競争力の成長戦略と関連付けた法人税改革を実行して、2018年の現在では30.86%まで引き下げた結果、国内企業の利益水準は高まりましたが、内部留保は約400兆円と最高額を更新しており、増益の恩恵は国民生活などに反映されることなく、各企業の内部に貯えられたままとなっています。

地方法人税とは

出典: https://company.jmsc.co.jp

地方法人税とは、2014年の税制改正によって新設された法人税のひとつで、国から全国の地方自治体に交付される地方交付税の財源となっています。各地方自治体によって企業の数も異なるため、税制改正前は地方財政の不均衡が問題視されていました。適切な税収の交付によって、その不均衡を解消する目的で創設されたのが地方法人税です。

法人事業税とは

出典: https://www.businessinsider.jp

法人事業税とは、企業の収益事業で生じた所得金額に課税される税金のひとつで、法人税のように国に納税する税金ではなく、各地方自治体に納税する義務を負うことになるので、都道府県によって税率は異なってきます。また、法人事業税は税金を費用として損金に算入することができるといった特徴があります。

法人県民税とは

出典: https://gakumado.mynavi.jp

法人県民税は、地方税に分類される住民税のひとつです。法人税の金額を参考にして計算される法人税割と、会社の規模を参考にして計算される均等割の2つによって、課税金額が決定されます。また、地方自治体によって税率も異なりますが、東京都に所在地がある場合には、都民税の課税対象となるので注意が必要です。

法人市民税とは

出典: https://diamond.jp

法人市民税も地方税に分類される住民税のひとつで、県民税と同じく、2種類の方法によって、課税の金額が決められます。市町村民税と呼ばれる法人市民税は、県民税と共に住民税として税金が課されます。また、住民税は法人の支店などがある各自治体によって課税され、所在地となる市町村に納税されます。

復興特別法人税とは

出典: https://k-beautylog.com

復興特別法人税とは、2011年に発生した東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するために創設された特別税です。2012年から2014年までの限定措置で、法人税に上乗せして徴収されました。同時に、復興特別所得税も実施され、こちらは2037年までの特別税となっています。また、復興特別たばこ税の導入も検討されましたが、政府内の慎重論により見送られることになりました。

法人税の種類を解説

各法人に掛かる法人税について

出典: http://www.uu.se

事業活動による所得金額が課税対象となる場合や、連結企業の事業を一括扱いして課税計算をする場合など、法人税にはさまざまな種類があります。また、法人課税信託としての信託事業に課される法人税や、退職年金等積立金を対象とした法人税もあり、企業の事業内容によって適用される法人税の種類も異なります。

株式会社に掛かる法人税と税率とは

出典: http://urban-plan.com

株式を発行して事業活動の資金を調達している株式会社は、普通法人に分類される会社形態のひとつです。原則、全ての所得が課税対象となりますが、資本金が1億円以下の中小企業の場合、800万円以下の所得であれば法人税は15%となります。また、法人住民税は、赤字の場合でも課税される税金なので注意が必要です。

合同会社に掛かる法人税と税率とは

出典: http://officehands.jp

事業活動資金の出資者と事業を行う経営者が同一である合同会社も、普通法人に分類される会社です。株式会社よりも社会的な信用度は高くありませんが、会社設立費用は約6万円と非常に安く、株式会社に比べて規制が緩いというメリットがあります。また、株式会社と同様の法人税制が適用されています。

合名会社に掛かる法人税と税率とは

出典: http://tohoku360.com

合名会社とは、無限責任社員のみで構成されている普通法人のひとつです。法人の中でも聞き慣れない会社形態ですが、資本金の制度が無く、現金による出資が義務付けられていないため、他の普通法人よりも設立費用を抑えることができます。合名会社も、株式会社や合同会社と同様の法人税制が適用されます。

合資会社に掛かる法人税と税率とは

出典: http://blog.kushii.net

事業活動を行う無限責任社員と、活動に必要となる資金を提供する有限責任社員によって構成されている合資会社も、普通法人として分類されます。合資会社も、キャッシュによる出資が定められていないため、小規模な組織体で経営をする際のメリットが大きいといわれています。また、通常の普通法人と同様の法人税制が適用されます。

一般社団法人に掛かる法人税と税率とは

出典: http://blog.livedoor.jp

一般社団法人とは、金銭上の利益を得ることを目的としない非営利法人のひとつで、公益性を目的とする場合は公益社団法人と呼ばれる、社団法人のひとつです。原則非課税となりますが、収益事業によって得られた所得に対して法人税が課税される特殊な会社形態です。しかし、都道府県民税の場合は、赤字でも納税の義務が生じるので注意が必要です。

一般財団法人に掛かる法人税と税率とは

出典: http://www.nct-inc.jp

一般社団法人と同様に、2008年に新設された新公益法人制度によって設立が可能となった一般財団法人は、財産に法人格を与えることができる社団法人です。非営利型の一般財団法人に対しては通常の法人税率が適用されますが、所得金額が800万円以下の場合は、15%の法人税が課税されます。

公益法人等に掛かる法人税と税率とは

出典: https://trifort.jp

公益社団法人や公益財団法人などの公益法人等の場合は、約30種類の収益を目的とした事業活動に対して通常の法人税が適用されます。また、一般社団法人や一般財団法人と同様に、収益事業で得た所得が800万円以下の場合は、15%の法人税率が適用されます。また、退職年金業務等を行っている場合にも、納税の義務が生じるので注意が必要です。

NPO法人に掛かる法人税と税率とは

出典: https://www.office-hiroba.com

NPO法人(特定非営利活動法人)とは、社会教育の推進や経済活動の活性化など、約20種類の内容に該当する事業活動を行う会社形態のひとつです。物品販売や製造など、政令で定められている33業種に該当する事業を行っている場合は納税の義務を負うことになるため、30.86%の法人税が課税されます。

組合に掛かる法人税と税率とは

出典: https://office.uchida.co.jp

農協組合や労働組合など、共通の目的をもつ個人や事業主が協同して活動を行う組織である協同組合は、通常の法人とは異なる税制が適用されています。収益事業の所得に対して、19%の法人税が課税されますが、所得金額が800万円以下の場合は、15%の法人税率が適用されます。しかし、一部の協同組合等(売上高が1000億円以上かつ所得金額が10億円以上)には、20%の法人税が課税されます。

法人税の掛からない法人がある?

法人税の掛からない法人とは

出典: http://www.sej.co.jp

株式会社や社団法人など、法人にはさまざまな種類があり、「営利」を目的とした事業活動や、「公益」を目的とした事業活動によって、法人税の有無も変わってきます。普通法人などを代表とする営利目的の会社形態の場合は、全ての所得に対して法人税を課すことが一般的ですが、国や公共団体などで事業活動をしている法人や、非営利を目的とした社団法人などの場合は、原則として法人税は非課税となっています。

地方公共団体

出典: https://recipe-book.ubiregi.com

地方公共団体とは、各地方の一定の地域と住民によって構成され、国から与えられた自治行政を行う公共法人のひとつです。国が定めている区域によって、普通地方公共団体と特別地方公共団体に分けられています。公共法人の中でも、国や地方公共団体で運営されている法人の場合は非課税の対象となります。この違いを知っておきましょう。

金融公庫

出典: https://gaichu-seikatsukyukyusya.com

金融公庫とは、民間の金融機関では融資を受けることができない資金の貸し付けを目的として、国が出資して設立する法人のひとつです。国民生活金融公庫や中小企業金融公庫など、いくつかの公庫が存在しており、他の金融機関と比べて、低金利での融資を受けることができるという特徴があります。地方公共団体と同様に金融公庫も、法人税は非課税となります。

事業団

出典: https://kigyou-no1.com

事業団とは、国の政策事業を行うために、政府や地方自治体などの出資によって設立される公共法人のひとつです。福祉や下水道など、政策事業の形態は多岐にわたっていますが、現在では、独立行政法人となっている事業団が多く存在します。通常の公共法人と同様に、事業団の法人税も非課税となっています。

社団法人

出典: https://wise-1.com

公益認定を受けた社団法人は、公益法人等として分類され、公益目的事業の認定を受けた収益事業であれば、その活動によって得られた所得には法人税が課税されません。しかし、認可地縁団体や防災街区整備事業組合などの、「公益法人等とみなされているもの」という法人形態に分類されている場合は、法人税の課税対象となり、納税の義務が生じるので注意が必要です。

財団法人

出典: https://biz.moneyforward.com

公益社団法人と同様に、公益認定を受けた財団法人の所得金額の法人税も非課税となります。また、通常は課税の対象となる寄付金ですが、公益法人等として分類される法人の場合は、原則非課税となります。しかし、公益法人等が普通法人として全ての収益が課税の対象となる一般財団法人へ、法人形態を変更した場合は、累積所得金額も課税対象となり、納税の義務を負うことになります。

宗教法人

出典: https://fx-rk.com

宗教法人とは、都道府県知事や文部科学大臣の認定を受けて法人格を取得した宗教団体のことをいいます。現在日本では、約20万の宗教法人が存在します。宗教法人には、単位宗教法人や包括宗教法人など、細かい分類がされていますが、どの宗教法人も公益事業を行うことが可能で、法人税の他にも消費税や登録免許税が非課税の対象となっています。

学校法人

出典: https://hoken-kyokasho.com

学校法人も公益法人等に分類される法人のひとつで、私立学校の設立を目的とした法人を指します。普通法人のように営利目的の法人ではないため、非課税の対象となりますが、学校名が記載された物品の販売や、体育館などの施設の貸し付けは収益事業に該当するため、法人税の課税対象となります。しかし、教科書などの教材の販売は、収益事業とみなされないため、法人税は課されません。

社会福祉法人

出典: http://www.abc-advisers.com

老人ホームやデイサービスなど、福祉事業を目的とした法人形態を社会福祉法人といいます。法人税上では、公益法人等に分類されるため、原則として法人税は課税されませんが、一般の営利法人のような事業を行った場合は、その収益事業の所得に対して法人税が課されます。また、法人住民税の均等割の納税義務も生じますが、収益事業が赤字である場合などは課税対象となりません。

人格のない社団等

出典: https://financial-field.com

PTAや町内会などの人格のない社団等は、法人格を有していませんが、税法上では法人に分類されている特殊な団体です。会費などの金銭収入には法人税は課税されませんが、継続的に屋台などの施設で収益事業を行う場合には、法人税の納税義務が発生するので注意が必要です。

法人税の税率と計算方法

法人税の税率と計算方法について

出典: https://www.lifehacker.jp

法人税の金額は、法人所得に税率を乗じて計算します。法人所得は、益金(自社に入ってくる現金などの財産)から、損金(原価や一般管理費などの費用)を差し引くことで算出されます。また、法人所得に乗じる税率は、法人税のみの税率ではなく、事業税や住民税も含めた「法定実効税率」が使われるので注意が必要です。現在の法定実効税率は30.86%となっています。

法人税の計算に必要なもの

出典: http://www.hansoku-ouen.com

法人税を計算するためには、決算資料の用意が欠かせません。勘定科目明細書や決算報告書など、さまざまな決算資料がありますが、その中でも「総勘定元帳」と「領収書綴り」の2つは、税務調査の際にも必ず点検される決算資料です。また、総勘定元帳と領収書綴りには、7年の保存期間が定められているため注意が必要です。

法人の種類によって税率も変わる

出典: https://koumu.in

法人の規模や収益事業に係る金額などによって、適用される法人税率はさまざまです。例えば、資本金1億円以下の法人の場合には、所得金額が800万円までは軽減税率が適用されるため納税コストを抑えることができますが、所得金額が800万円以上の場合は、通常の法定実効税率が適用されます。また、普通法人や公益法人などの会社形態によっても適用される税率は多様となるので注意が必要です。

普通法人の法人税率

出典: https://lifehacking.jp

資本金1億円を超える中小企業以外の普通法人に適用される法人税率は、2016年4月1日以後に事業を開始した場合には23.4%の税率が適用され、2018年4月1日以後に事業を開始した場合には23.2%の税率が適用されます。しかし、普通法人に分類される医療法人の中には、国から承認を受けた特定医療法人という法人形態がありますが、特定医療法人の場合は、資本金の大小に関係なく、19%という一定の税率が適用されます。

中小法人の法人税率

出典: https://cloudsupport.jp

中小法人に適用される法人税率は、所得金額が800万円以下の場合は19%となり、所得金額が800万円を超える部分には、通常の普通法人と同様に、2016年4月1日以後に事業を開始した場合は23.4%の税率が適用され、2018年4月1日以後に事業を開始した場合には23.2%の税率が適用されます。しかし、中小法人として軽減税率の適用を受けるには、資本金の規模や相互会社等との関係性などの条件を満たす必要があります。

一般社団法人等の法人税率

出典: http://www.n-taxconsulting.jp

中小法人と同様に、一般社団法人等の法人税率も、所得金額が800万円以下の場合は19%となり、所得金額が800万円を超える部分には、2016年4月1日以後に事業を開始した際は23.4%の税率が適用され、2018年4月1日以後に事業を開始した際には23.2%の税率が適用されます。一般社団法人等として分類されるためには、法別表第2に定められている非営利型法人である必要があります。

公益法人等の法人税率

出典: https://www.ti.tohmatsu.co.jp

公益法人等も基本的には、一般社団法人等と同様の税率基準に従って、納税を行う必要があります。しかし、所得金額が800万円を超える場合にも、公益法人等に適用される税率は19%となるので注意が必要です。また、「公益法人等とみなされているもの」という法人形態に分類されている場合には、所得金額が800万円を超えても、中小法人などと同様の税率が適用されます。

協同組合等の法人税率

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

協同組合等に適用される法人税率は、開始事業年度に関わらず、所得金額が800万円以下の場合には19%の税率が適用されますが、協同組合等である連結親法人に対しては20%の税率が適用されます。所得金額が800万円を超える際にも20%の税率が適用されますが、所得金額10億円を超える場合には、税率が22%となるので注意が必要です。

人格のない社団等の法人税率

出典: https://officenomadoguchi.com

人格のない社団等の法人税率は、所得金額が800万円以下の場合は、2016年4月1日以後に事業を開始した際は19%の税率となり、2018年4月1日以後に事業を開始した場合にも19%の税率が適用されます。しかし、所得金額が800万円を超える部分には、2016年4月1日以後に事業を開始した際は23.4%の税率となり、2018年4月1日以後に事業を開始した際には23.2%の税率となるので注意が必要です。

法人税の申告と納付の仕方!納税地はどこ?

決算整理

出典: https://business-textbooks.com

効率的な法人税申告書の作成をするためには、作業の順序が非常に重要となります。最初に決算整理の作業を行うことで、何度も法人税の計算をする手間を省くことができます。決算整理には減価償却費の計上なども含まれますが、未払法人税の計上は決算処理時に行うため注意が必要です。

科目内訳明細書の作成

出典: https://trade-king.biz

法人税申告書には科目内訳明細書の添付が必要となるため、決算整理の作業と並行して科目内訳明細書の作成も行います。科目内訳明細書の作成後に記入漏れなどの間違いが見つかると、法人税の再計算も必要となってくるので、丁寧な作成を心掛けることが大切となります。

残高試算表の作成

出典: https://biz.moneyforward.com

残高試算表(未払法人税等の計上前)の作成は、決算整理と科目内訳明細書の作成後に行いますが、一般的な会計ソフトを使用して決算整理の仕訳を計上した場合は、残高試算表をプリントアウトするだけで完成となります。

法人税申告書の作成

出典: https://keiei.freee.co.jp

法人税申告書は、未払法人税等の計上前の残高試算表を参考にして作成します。法人税申告書には、さまざまな別表があり、必ず記入するのが「別表1・別表4・別表5(1)」の3つです。一般的な法人では、「別表2・別表5(2)・別表6(1)・別表7・別表11・別表15・別表16」も使われています。また、別表の作成にも順序があり、基本的には降順で作成することになります。

事業税申告書の作成

出典: http://www.sogokeiei.co.jp

法人税と同様に事業税も、所得金額に税率を乗じて計算します。事業税申告書は会計ソフトで作成することができないので、法人税申告書の別表4で計算した金額を参考にして作業を進めていきます。収益事業が赤字の場合には、事業税の納税義務は発生しないので注意が必要です。

都道府県民税申告書の作成

出典: https://recipe-book.ubiregi.com

都道府県民税は、法人税申告書の別表1で計算した法人税に税率を乗じて算出します。また、特別区に支店などがある場合には、第6号様式別表4の3を使用します。事業税申告書と同様に、都道府県民税申告書も会計ソフトでの作成ができないので、別表4で計算した金額を参考にして作業を行います。

市民税申告書の作成

出典: https://orenocloud.tokyo

都道府県民税などと同様に、市民税にも、法人税申告書の別表1で計算した法人税に税率を乗じて算出していきます。また、市民税の計算の際には第20号様式が使用され、算出された市民税を、法人税申告書に記入することが大切となるので注意が必要です。

決算処理

出典: https://start-note.com

決算処理は、法人税や事業税申告書の作成後に作業を行います。法人税や事業税などの法人税等金額は、費用として損益計算書に計上します。同時に、負債として貸借対照表に計上する必要があります。二つの書類に記載する必要があるので、漏れがないように気をつけましょう。

残高試算表を完成させる

出典: https://keiriplus.jp

法人税等金額と未払法人税等金額を決算整理の仕訳に計上すると、当期純利益の金額が変動するので、改めて残高試算表を作成してプリントアウトすることで、残高試算表が完成します。法人税等は費用に分類される勘定科目ですが、未払法人税等は流動負債に分類されるので、残高試算表の作成の際には注意が必要です。

法人税申告書を完成させる

出典: https://www.rarejob.com

完成した残高試算表を参考にして、法人税申告書の別表4にも、法人税等金額や当期純利益の金額を反映させます。法人税申告書を提出する前の最後の作業となるので、法人税申告書の別表4で計算された課税所得金額や、別表1で計算された法人税の金額などの確認を、しっかりと行うことが大切です。

添付書類の作成

出典: http://fujipon-cpa.com

法人税申告書の作成が完了したら、事前に作成しておいた貸借対照表や勘定科目内訳明細書などの添付書類と、法人税申告書に矛盾点がないか確認します。通常、添付書類は残高試算表とリンクしているため会計ソフトでの作成が可能となりますが、フォーマットが無い場合には、エクセルなどで自作する必要があります。

申告と納税の仕方について

出典: https://media.tousee.jp

法人税申告書は、期末日から2ヶ月以内に所轄の税務署に提出する必要があります。申告方法は、郵送と税務署に持参する方法があります。また納付方法には、金融機関や所轄の税務署の窓口で現金納付する方法などがありますが、最近では、税務署などに現金を持参する必要のない電子納税の利用が多くなっています。

法人税を節税する方法はある?税率を比較!

節税その1・未払費用とは

出典: https://minnkane.com

賃借対照表の負債の部に計上される未払費用は、すでに提供された継続的役務に対しての対価の支払いが終わっていないものを指します。未払費用を損金に算入する方法は、決算直前の節税対策としてよく行われます。しかし、中小企業の中には、未払費用を今年度内に計上しない場合があります。無駄な税金の納税を減らすためにも、未払費用の損金算入の習慣化は非常に重要となります。

節税その2・短期前払費用とは

出典: https://tomomia.com

前払費用の例外として、短期前払費用という制度があります。短期前払費用は、継続的な活動に対する支払いがある場合に、支払い時の一括損金算入が認められるため、法人税の納税額を安くすることができます。日頃の節税対策としても非常に有効な方法のひとつですが、毎年継続的に費用処理をしていることや、1年以内に役務提供を受けるなど、前払費用の例外として認められる条件を満たす必要があるので注意が必要です。

節税その3・支出のタイミング

出典: https://money-bu-jpx.com

日頃の節税対策のひとつとして、各費用の支出のタイミングを調整することも大切となります。自社の収益が大幅に増益する可能性がある場合に、来期に予定していた設備投資などの費用を通期に前倒しして損金算入することで、収益額と法人税の納税額を抑えることができます。しかし、確実な大幅増益が見込まれる場合でないと、無駄な支出を増やしてしまうことにもなるので、慎重な判断が重要となります。

節税その4・定期同額給与とは

出典: http://ure.pia.co.jp

役員に一定額の給与を支給し続けることで、損金への算入が認められる定期同額給与は、日頃の節税対策の中でも代表的な方法のひとつです。しかし、役員給与は経費に分類されるため、金融機関からの借入が多い場合などは自社の財政に不利な影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

節税その5・事前確定届出給与とは

出典: https://bp-guide.jp

役員給与には定期同額給与の他にも、事前に支給時期と金額を税務署に届け出たうえで、それに基づいた給与の支給を行う「事前確定届出給与」という制度があります。定期同額給与と同様に、損金への算入が認められているため、有効な節税対策のひとつとなっていますが、届出額と届出月が完全に一致していないと損金算入が認められないなど、他の節税方法に比べて、細かい条件が設けられています。

節税その6・貸倒損失の計上

出典: https://www.chibitora.xyz

債権回収が困難になった際の損失を管理するための勘定科目のひとつである貸倒損失も、有効な節税対策のひとつです。取引先企業の倒産によって、金銭債権が消滅した場合など、一定の要件を満たすことで損金への算入が認められますが、節税のみを目的とした故意的な経費計上をする事案も多いため、厳しい要件が設けられています。

節税その7・減価償却資産とは

出典: https://biz.moneyforward.com

建物や機械などの減価償却資産には、法定耐用年数という規則が定められています。減価償却資産の種類によって耐用年数の計算はさまざまですが、どの種類も中古品は新品よりも短い耐用年数で計算されるという特徴があります。短期間での節税対策としては、損金算入できる減価償却費の額が大きくなる中古品の方が、納税額を抑えることができます。

節税その8・法人保険への加入

出典: http://days-works.xsrv.jp

法人で加入することによって、事業保障や福利厚生などの効果がある法人保険は、節税対策としても活用されます。さまざまなメリットがありますが、節税目的のみの活用の増加を防ぐために、保険料全額の損金算入は認められなくなり、現在では保険料の半額までが損金算入の対象となっています。本来は、自社や従業員などの保護を主とした保険なので、利用目的を考慮したうえで加入を検討することが大切です。

法人税率と所得税率の比較

出典: http://suv.about-car.net

超過累進課税が適用されている所得税は、所得の増加に比例して、最大7段階まで税率が引き上げられ、最高税率は45%となっています。一方で、法人税は比例税率を適用しているため、一定の税率が課税されます。しかし、法定実効税率と所得税率を比較すると、収入額が1000万円以下までは、所得税の方が低い税率を定めているので、収益額が1000万円以上の場合には、法人化をすることで納税額を抑えることができます。

法人税の税率や計算方法などまとめ

法人税の税率や計算方法などの基本的な知識と、節税方法について紹介してきました。いかがでしたでしょうか?納税額の計算や税金の扱いは、経営者としての専門的な知識がある方でも、判断の難しい場面が非常に多いです。申告書の作成や納税方法などに誤りはないかなどの不安がある場合には、税務署職員やお世話になっている税理士に相談することも大切です。今回紹介した基本知識などを参考に、正しい会社経営をされていただけると幸いです。

関連するまとめ

関連するキーワード

新着一覧

最近公開されたまとめ