年末調整の配偶者控除の書き方を徹底解説!年収などの注意点とは?

年末になると会社勤めのサラリーマンに恒例なのが「年末調整」です。しかし毎年配偶者控除の適用を受けている人にとって今年は制度が変更となり、いつもと違う様式の提出が必要です。今回はそんな年末調整の配偶者控除の書き方や、制度の変更点、注意点についてご紹介します。

年末調整の配偶者控除の書き方を徹底解説!年収などの注意点とは?のイメージ

目次

  1. 年末調整の配偶者控除の書き方が知りたい!
  2. 年末調整の配偶者控除とは?
  3. 年末調整の配偶者控除は法改正で年収要件が変更?
  4. 年末調整の配偶者控除額の計算方法は?
  5. 年末調整の配偶者控除の書き方は?注意点も紹介!
  6. 年末調整の配偶者控除の書き方まとめ

年末調整の配偶者控除の書き方が知りたい!

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年末調整といえばサラリーマンにとっては年末恒例の手続きですが、平成30年から制度が変更になりました。具体的には配偶者控除の計算が変わり、配偶者控除等申告書という様式を会社に提出する必要が出てきました。この記事では、年末調整における配偶者控除制度の変更点、変更後の計算方法、配偶者控除等申告書の書き方、注意点について説明します。

年末調整の配偶者控除とは?

配偶者控除とは何か?

平成30年分年末調整のしかた

納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

この所得控除のことを配偶者控除とよびます。すなわち一定の配偶者がいる場合、所属税の計算上、本人の所得金額を減らし、税金の額が減る税制上の優遇措置です。

配偶者の要件

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控除対象配偶者の要件は、次の(1)~(4)であり、全てを満たす必要があります。(1)民法の規定による配偶者である(内縁関係の人は該当しない)こと、(2)納税者と生計を一にしていること、(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)、(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないことです。

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上記の要件のうち、注意点は(3)の給与収入が103万円以下の部分です。この103万円という数字は、給与所得控除65万円と基礎控除38万円の合計が103万円であるところから来ています。この2つの控除は全ての給与所得者に認められる控除(費用)であることから、103万円以下の給与収入の配偶者とは、すなわち所得税を納めないでよい配偶者と言い換えることができます。

配偶者控除の金額

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一般の控除対象配偶者の場合、配偶者控除の金額は38万円です。また、老人控除対象配偶者(その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人)に当たる場合には、配偶者控除の金額は48万円となります。なお、配偶者が障害者の場合は、配偶者控除に加えて障害者控除も適用されます。

なぜ配偶者控除というものがあるのか?

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なぜ、このような控除があるのでしょうか。配偶者控除は、妻の家事・育児などの無償労働(内助の功)を夫の必要経費として捉え、夫に税制上の優遇措置を与える役割を果たしてきたといわれています。元々、制度が創設されたのは専業主婦世帯が多い1960年代の頃で、自営業者の場合には、家族従業員に支払う給料が必要経費として認められることとのバランスをとって創設された経緯があります。

103万円の壁とは?

配偶者控除の話になると「103万円の壁」という言葉が出てきます。これはいったい何を表すのでしょうか。話をわかり易くするために、ここからは夫(納税者本人)が主たる稼ぎ手で、その夫にパート収入を得ている妻(控除対象配偶者)がいるという設定で説明していきます。

上記のとおり、妻の年収が103万円未満だと、妻本人に所得税がかからない上、夫の所得税には配偶者控除として38万円の控除が受けられます。それに対し妻の収入が103万円を超えたとたん、夫は配偶者控除が受けられなくなるばかりか、妻の方にも所得税の負担がのしかかってきます。この税負担が生じる境目を「103万円の壁」と世間一般では呼んでいます。

「103万円の壁」の問題点として、妻が103万円未満に収入が収まるよう労働時間等を調整(いわゆる就労調整)しており、これが日本経済の発展を阻害しているという指摘があります。人口減少時代を迎え、今後の労働力人口の確保が急務な現代においては女性の就業者を増やす必要があるが、この配偶者控除の仕組みが女性の就業機会を制約する要因となっているというわけです。

配偶者特別控除で103万円の壁を解消?

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実際は、夫の合計所得金額が1,000万円(年収1,220万円)以下、妻の合計所得金額が38万円超76万円未満(年収103万円超141万円未満)である限り、妻の年収に応じて、夫には38万円から3万円の範囲で控除を受けることができます。これが配偶者特別控除です。配偶者特別控除は、妻が103万円を超えて稼ぎ出したら、夫の税負担が急に重くなるのを防ぐ機能を果たしていて、いわば103万円の壁を解消するための措置であると言えます。

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年末調整の配偶者控除は法改正で年収要件が変更?

新しい配偶者控除・配偶者特別控除

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上記のとおり、女性の就業機会の確保の課題等から平成29年度の税制改正で配偶者控除の制度が改正されました。実際にどのように変更になったかというと、一つには上記の配偶者の年収は150万円(変更前は103万円)まで引き上げられ、配偶者特別控除の要件である配偶者の年収が150~201万円(変更前は103万円~141万円)となりました。「103万円の壁」は「150万円の壁」になったと言えます。

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二つ目の変更点は、夫の年収が高額の場合には、配偶者控除が一切受けられないか、控除できる額が減るということです。(変更前は夫の年収に関わらず配偶者控除を受けられました。)これらの改正に伴い、夫と妻の年収で、配偶者控除・配偶者特別控除の適用の可否や適用額が決まることになったため、これらを計算するための申告書(配偶者特別控除等申告書)を年末調整の際、会社(税務署)に提出する必要が出てきたのです。

年末調整の配偶者控除額の計算方法は?

変更後の配偶者控除の計算

出典: https://www.happy-souzoku.jp

さきほど、夫の年収が高額の場合には配偶者控除は適用されないと説明しましたが、具体的には、夫の合計所得金額が1,000万円(給与所得のみの場合、給与年収1,220万円)を超えると適用されません。また、夫の給与年収1,120万円以下、1,120万円超1,170万円以下、1,170万円超1,220万円以下に応じて、配偶者控除額はそれぞれ38万円、26万円、13万円と段階的に減っていきます。たくさん稼いでいる夫には、注意点です。

変更後の配偶者特別控除の計算

夫の給与収入と妻の給与収を元に控除額が決まります。具体的には、夫の給与収入は、1,120万円以下、1,120万円~1,170万円以下、1,170万円~1,220万円以下の3区分、妻の給与年収は150万円以下、150万円~155万円以下、155万円~160万円以下、160万円~167万円以下、167万円~175万円以下、175万円~183万円以下、183万円~190万円以下、190万円~197万円以下、197万円~201万円以下の9区分の組み合わせで、控除額は決定します。

夫の給与年収が1,120万円以下の場合の配偶者特別控除

夫の年収が1,120万円以下の場合は、妻の上記の9つの年収区分に応じて、38万円から3万円までの範囲で配偶者特別控除を受けることが可能です。個々の控除額が国税庁ホームページ等で確認できます。例えば、妻の年収が150万円の場合は36万円の配偶者特別控除となり、妻の年収が195万円の場合は6万円の配偶者特別控除が適用になるといった具合です。

夫の給与年収が1,120万円超1,170万円以下の場合の配偶者特別控除

夫の年収が1,120万円超1,170万円以下の場合も同様に、妻の上記の9つの年収区分に応じて配偶者特別控除額は決まりますが、その額は26万円から2万円までの範囲に減っています。例えば、妻の年収が150万円の場合、上記の夫の年収のケースでは36万円でしたが、こちらのケースでは26万円と減っています。同じく妻の年収が195万円の場合の配偶者特別控除額は4万円(上記のケースでは6万円)となります。

夫の給与年収が1,170万円超1,220万円以下の場合の配偶者特別控除

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最後に夫が一番稼いでいるケースで、夫の給与年収が1,170万円超1,220万円以下の場合の配偶者特別控除です。この場合も、妻の上記9つの年収区分に応じて配偶者特別控除額は決まりますが、その額は13万円から1万円までというように最も低い額の範囲となっています。例えば、妻の年収が150万円の場合、配偶者特別控除額は13万円です。また、妻の年収が195万円の場合は、配偶者特別控除額は2万円となります。

年末調整の配偶者控除の書き方は?注意点も紹介!

ここからは、年末調整の配偶者控除等申告書の書き方について、注意点を交えて説明します。といっても上記に説明した内容を理解していれば、書き方といってもそれほど難しいことはありません。なお、配偶者控除等申告書の様式は、国税庁のホームページからエクセル形式でダウンロードすることが可能です。

本人情報欄の書き方・注意点

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タイトルの下にある枠囲みの中です。所轄税務署長欄、給与の支払者の法人番号は、普通の従業員には馴染みのないところであり、無記入でも差し支えありません。給与の支払者の所在地(住所)欄、あなたの氏名欄、あなたの住所欄についてそれぞれ記載します。

本人の所得情報の書き方・注意点

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あなたの本年中の合計所得金額の見積額を記載します。この欄は主に配偶者特別控除の適用額の計算で意味を持ってきます。なお、ここで計算するのは所得であって年収ではないことに注意しましょう。所得=年収-給与所得控除額(又は必要経費)です。給与所得控除額は給与所得者の必要経費と置き換えてもらえばよいです。

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あなたの所得を4つ目の枠囲みの左部分の表「あなたの合計所得金額(見積額)」を使って計算します。表の中には、給与所得以外にも事業所得、雑所得、配当所得、不動産所得、退職所得、これら以外の所得が記載されていますが、サラリーマンの方はとりあえず放っておきましょう。(一番上の給与所得の所得金額のみ計算します。)

まずは、その年の給与年収を予想しましょう。昨年の年収や本年の実績から概算の年収を算出してください。次に給与所得控除額を求めますが、表をみると給与所得の必要経費等の欄に斜線が引いてあります。これは給与年収が決まれば自動的に給与所得控除額が定まり、所得金額も決まることを意味します。

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給与所得控除額は、サラリーマンにとっての必要経費であると説明されています。サラリーマンにとっての必要経費とは具体的には、スーツ代や図書代、研修費用や資格取得代、交際費用などが考えられます。これらの費用は個々のサラリーマンによって支出額は異なるのが現実ですが、標準的な額を給与所得控除額として法定し、個々人に応じた個別具体の計算は不要としています。

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このように給与所得控除額は、給料収入の額に応じて一定の額が定まっています。例えば、給与収入が161万9千円未満の人は65万円、給与収入が700万円の人は、収入金額の10パーセントの額に120万円を加えた額(すなわち190万円)といった具合です。そして所得金額も自動的に定まり、給与収入700万円の人は、所得金額510万円となります。(算式としては、給与収入700万円の人の所得金額は、収入額×90パーセント-120万円になります)

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このように給料収入に応じて所得金額が自動的に定まる仕組みになっていますが、年収の低い層ほど所得金額の区分を細かく設定しています。低所得者ほど税負担が重くのしかかることから、所得金額の算定を精緻に行って、税負担が低所得者に過度に重くならないよう配慮されています。

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以上のように計算した金額を様式の上から2番目の枠囲み「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」欄に記載し、「判定」欄の「900万円以下(A)」、「900万円超950万円以下(B)」、「950万円超1,000万円以下(C)」の該当区分にチェックを入れ、「区分Ⅰ」欄にチェックしたA~Cを記載します。なお、A~Cは、上で説明した給与年収が1,120万円以下、給与年収が1,120万円超1,170万円以下、給与年収が1,170万円超1,220万円以下に対応しています。

配偶者の本人情報の書き方・注意点

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次に配偶者の本人情報を記載します。配偶者の本人情報(枠囲みの左側部分)は、配偶者の氏名、個人番号(マイナンバー)、生年月日、あなたと配偶者の住所又は居所が異なる場合の配偶者の住所又は居所、老人控除対象配偶者欄、非居住者である配偶者欄、生計を一にする事実欄にそれぞれ記入します。

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配偶者が老人控除対象配偶者に該当する場合は、同欄に○をつけます。非居住者である配偶者の場合も同欄に○をつけます。非居住者とは、国内に住所を有せず、かつ、現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない個人をいいますが、先に説明したとおり、納税者本人と配偶者は生計を一にしていることが配偶者控除又は配偶者特別控除の要件です。

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したがって、配偶者が非居住者の場合は生計を一にしていることを証明する必要があることに注意しましょう。この場合、「生計を一にする事実欄」に本年中にその配偶者に送金等をした金額の合計欄を記載するとともに、「親族関係書類」(戸籍の附票の写し、パスポートの写しなど)及び「送金関係書類」(海外送金依頼書の控え、通帳の写しなど)を添付する必要があります。

配偶者の所得情報の書き方・注意点

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次に、配偶者の所得情報を記載します。書き方及び注意点はほぼ本人の所得情報の時と同様で、予想年収を記入し、所得金額(配偶者の本年中の合計所得金額の見積額)を記載します。「判定」欄の「38万円以下かつ年齢70歳以上(昭24.1.1以前生)①」、「38万円以下かつ年齢70歳未満②」、「38万円超85万円以下③」、「85万円超123万円以下④」の該当する区分にチェックを入れ、「区分Ⅱ」欄にチェックを入れた①~④の区分を記載します。

控除額の計算欄の書き方・注意点

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上の区分Ⅰ欄と区分Ⅱ欄が出そろいましたので、控除額を計算します。といっても、表の中の該当部分の数字を転記すればよいだけです。左の2列が配偶者控除の額で、それより右の列が配偶者特別控除の額です。区分Ⅰ欄のA~Cの如何によって、行が決定します。行が決まれば、区分Ⅱ欄の区分(④の場合は該当する金額区分)に従い、左から右にスライドさせて該当金額を決定させます。あとは、間違いがないよう注意して数字を記載すれば完成です。

年末調整の配偶者控除の書き方まとめ

年末調整の配偶者控除の申告書の書き方及び注意点について制度の変更点を交え説明してきましたが、いかがでしたか。配偶者控除の仕組みさえわかれば、それほど難しいものではありません。丁寧に計算して、税金の優遇措置を受けられるようしっかりと年末調整の手続きを行いましょう。(この記事は平成30年時点の税制をもとに記載していますので、その後の制度の変更には注意ください。)

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