2018年09月08日更新
自衛隊への入隊条件を調査!年齢制限や必要な資格・試験は?
自衛隊に入隊したいけれど、どうすればいいのかわからないという人もいるでしょう。自衛隊入隊にあたっては、年齢制限や必要な資格、条件など考えるべき項目はいくつもあります。そこで、それぞれがどうなっているのか検証してみましょう。

目次
自衛隊への入隊には年齢制限や条件・試験が!
自衛隊に入隊しようと思っても、だれもが入隊できるわけではありません。年齢制限をはじめいくつも条件があります。果たして自分がその条件に合致しているのか気になるところですが、条件さえ満たせばいいとは言えません。試験があるのです。その試験に合格後、入隊となります。そこで、今回は、自衛隊入隊の条件や資格、試験などについて解説します。
自衛隊への入隊にはさまざまな道が?
学歴や経歴によって違う自衛隊入隊
自衛隊への入隊の仕方にはさまざまな道があります。中卒か高卒か大卒か社会人出身かなどによっても、入隊できるコースが違います。最初に選ぶ入隊コースによって、その後の階級にも大きな差が出てきます。したがって、どの入隊コースを選ぶかはその後の自衛隊での経歴にも大きな影響があります。
自衛官候補生とは?
自衛官候補生とは、任期が決まっている自衛隊員のことです。まずは、候補生としてスタートし、3か月経過すると、2士になります。2士になるのに条件はありません。その後、各部隊や基地に送られ、9か月ほど経つと1士に昇任し、さらに士長まで進みます。
自衛官候補生は自衛官ではない
自衛官候補生になった段階では、自衛官の中に数えられません。最初の段階では階級がないので、自衛官として認められないのです。3か月経過し、2士に任官し始めて自衛官となります。ところで、自衛隊員と自衛官の違いについて疑問に思った人もいるでしょうが、階級があれば自衛官になれます。一方、自衛隊員は自衛隊に属する人全員を指します。
自衛官候補生の入隊年齢制限
自衛官候補生の年齢制限は、18歳以上27歳未満です。したがって、高卒、大卒、社会人でも応募資格はあります。年齢制限は1990年当時上限が24歳でしたが、その後引き上げられました。その引き上げられた年齢制限が2018年10月からさらに上昇します。どこまで引き上げられるのかというと、上限が32歳となるので、自衛官候補生の門戸は広くなります。
入隊には試験に合格する必要がある
自衛隊への入隊にあたって自衛官候補生になるには、試験に合格しなければいけません。ただ、試験とはいっても中卒レベルなので、それほどの難易度ではありません。ということは、年齢制限や他の条件、資格さえ満たせば、自衛官候補生になるのはそれほど難しくはないということです。
参考に!自衛官候補生の給料
自衛官候補生の給料は時々変わりますが、候補生段階では、月に13万1800円支給されます。2士に任官するときは、任用一時金が支給されます。17万6000円です。2士になった場合の俸給(給料のこと)は、16万7700円です。任期満了金というお金も支給されます。2年間で56万円、3年間で93万円、2回目の任期で142万円から148万円の支給です。
給料に満足できななら別の入隊コースを
自衛官候補生の給料はそれほどよくありません。任期満了金が支給されるにしても、決して全体の金額は高くないのです。また、自衛官候補生は、別名任期自衛官と呼ばれるように任期が来たらおしまいです。別の再就職先を探さなくてはいけません。それらの点に不満ならば、自衛官候補生以外の入隊コースを選ぶ必要があります。
一般曹候補生とは?
自衛隊の中にはさまざまな階級がありますが、一般曹候補生とは、その階級の中でも曹を目指す人のことを言います。一般曹候補生のスタートは2士からです。自衛官候補生よりも有利な立場でスタートです。その後、1士、士長と自動的に昇任しますが、曹になるには選抜試験があります。したがって、すべての人が曹になれるわけではありません。
一般曹候補生の入隊年齢制限
一般曹候補生の年齢制限は自衛官候補生と同じです。18歳から27歳未満です。ただし、自衛官候補生の年齢制限は変わることになっていますが、一般曹候補生の年齢制限はこれまでと変わりません。それでも、高卒、大卒、社会人出身と多くの人に応募資格があることに違いはありません。
一般曹候補生の試験
同じ自衛隊の入隊コースでも、一般曹候補生になると、自衛官候補生よりも上の階級からのスタートとなり、昇任もしやすくなります。したがって、それだけいい条件がそろっているので、試験の難易度も当然難しくなります。自衛官候補生の試験なら楽に合格できて入隊できる人でも、一般曹候補生の試験は少し事情が違います。
自衛官候補生から一般曹候補生へ
自衛官候補生で入隊した人は一般曹候補生になれないのかというと、そんなことはありません。応募資格はあります。この場合は、一般の自衛隊入隊希望者と同様に一般曹候補生の試験を受ければいいのです。試験に合格すれば、一般の入隊希望者と自衛官候補生からの応募者との間で扱いに差はありません。
一般曹候補生の給料
一般曹候補生の俸給は、入隊時16万7700円です。一般曹候補生は、定年まで働くことが前提になっているのです。昇任や勤続年数に応じて給料もアップします。自衛隊にずっと身を置きたいと思っている人は、自衛官候補生よりも一般曹候補生で入隊することをおすすめしますが、それを後悔する人がいるのも事実です。
一般幹部候補生とは?
自衛隊の一般幹部候補生とは、将来自衛隊の幹部になることを目的とした候補生のことを言います。一般幹部候補生は最初の時点から、自衛官候補生や一般曹候補生とは違います。曹長からのスタートなのです。したがって、同じ自衛隊でも昇任スピードが速いです。一定期間の教育を受けると、3尉にまで昇任します。もっと上まで行く可能性もあります。
一般幹部候補生の入隊年齢制限
一般幹部候補生として自衛隊に入隊する応募資格を得るためには、大学を出ていないといけません。大卒程度試験の場合は、22歳以上26歳未満が年齢制限です。修士課程修了者などは少し年齢制限が上がって、28歳未満です。院卒者試験の場合は、22歳以上28歳未満が年齢制限です
一般幹部候補生の試験
一般幹部候補生の試験は、大卒者や大学院卒業者を対象にしているので、難易度がほかの入隊コースよりも上です。その試験の内容は、筆記試験、口述試験、小論文試験、身体検査となっています。大学を出て、一般幹部候補生の試験に合格する自信があるのならば、この入隊コースから始めたほうが階級もどんどん上がり、給料もよくなります。
一般幹部候補生の給料
一般幹部候補生の入隊時の給料は、修士課程修了者等以外の大卒程度試験合格者の場合は22万3100円です。修士課程を修了していると、24万200円です。一方、院卒者試験合格者の場合の給料は24万4200円です。自衛隊入隊時の給料から見ても、他の入隊コースを選択した人より上です。
他の自衛隊入隊コースから一般幹部候補生へ
大学さえ卒業していれば、自衛官候補生や一般曹候補生から一般幹部候補生への応募資格があります。この場合は、年齢制限の上限が1年上がって、27歳未満となります。我こそはと思う人はぜひ、一般幹部候補生の試験を受けてみましょう。特に一度自衛隊での任務を経験した人は、同じ一般幹部候補生でも熟練度が違うので貴重な存在です。
このほかの自衛隊入隊への道
自衛官候補生、一般曹候補生、一般幹部候補生以外にも自衛隊入隊の道はあります。中卒の人は高等工科学校に入学して、3等陸曹になり、自衛隊幹部を目指します。高校、短大、予備校、専門学校卒業生は、防衛大学校や防衛医科大学校から幹部候補生として入隊し、やがては幹部となります。高卒者などは航空学生になって飛行幹部候補生になる道もあります。
防衛省のホームページなどをチェック
自衛隊への入隊の応募資格については、防衛省のホームページや自衛官募集というページに詳しい情報が載っています。これまでの記事で基本的な情報はお伝えしましたが、まだまだわからないことがあるという人は上記のページなどで確認をしてください。
自衛隊への入隊の合格倍率はどのくらい?
志願者数は減少している?
平成27年度と28年度の防衛白書から自衛隊入隊の応募者の数字の推移を見てみましょう。一般曹候補生の場合です。平成27年度の応募者数は2万5092人でした。平成28年度は2万4312人です。この数字を見るとわずかながらに下がっています。全体的には減少傾向ですが、防衛省も応募者数増加のために努力をしているので、激減というほどではありません。
自衛隊入隊の応募者は多くても採用者は少ない
自衛隊入隊の応募者はそれなりの人数がいますが、試験に合格し、実際に採用される人はそれほど多くありません。平成28年度の数字ですが、自衛官候補生の場合は、2万9067人の応募に対して、採用者は7610人でした。一般曹候補生の場合は、応募が2万4312人で、採用が5011人です。一般幹部候補生の応募は6511人で、採用は395人です。
自衛隊入隊の合格倍率を見てみよう
自衛隊の応募者数と採用者数がわかったので、その数字をもとに合格率を計算してみましょう。自衛官候補生の場合は、3.8倍です。一般曹候補生の場合は、4.9倍です。一般幹部候補生の場合は、16.5倍です。この数字を見ると、試験の難易度が上がるほど倍率が高くなっていることがわかります。一般幹部候補生になるのは大変です。
女性の自衛隊入隊応募者と採用者
自衛隊入隊に応募して、採用された女性の数も見てみましょう。同じく平成28年の防衛白書によります。自衛官候補生の場合は、応募者数が3886人で、採用者が946人でした。一般曹候補生の場合、応募が3868人で、採用が446人でした。一般幹部候補生の場合、応募したのが1062人で、採用されたのが54人です。
女性の倍率はどうなっている?
女性の自衛隊入隊の倍率を取り上げてみましょう。上記の数字をもとにすると、自衛官候補生の場合は倍率が4.1倍です。一般曹候補生の倍率は8.7倍です。一般幹部候補生の倍率は19.7倍です。この倍率をみると、男性よりも女性のほうが数字が大きいです。
女性にはより狭き門
女性の自衛官の総数は少なくありませんが、こと入隊倍率という点から行くと、男性よりも女性にとってのほうが狭き門となっています。では、女性自衛官の全体に占める割合ですが、5パーセントから6パーセントくらいです。この数字を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、女性は戦闘部隊に属することは少ないです。
自衛隊の訓練は男女一緒
自衛隊の訓練では、男女差別はありません。入隊したら、同様の訓練を課されます。したがって、女性にとっては相当きつい職場です。ある程度覚悟して臨まなければいけません。倍率が高い中を入隊したのですから、厳しい訓練にも耐えて、立派な自衛官になるようにしましょう。
自衛隊に入隊するには倍率を克服しよう
女性より男性のほうが自衛隊入隊の倍率が低いからと言って、入隊しやすいというわけではありません。応募資格を有していても、試験も楽ではないし、競争者も多いです。その中を乗り越えて入隊するには努力も必要です。したがって、この厳しい倍率競争を頑張りぬいた人こそ、自衛隊に入隊する資格がある人だと言えます。
自衛隊への入隊条件とは?年齢制限も
身長
自衛隊員はいざとなったときかなりの体力を要求されます。その体力を十分に発揮するためにも、ある程度の身長は必要です。自衛隊員になるための最低条件は、男性の場合155cm、女性の場合は150cmです。この条件なら、たいていの成人はクリアできるでしょうが、わずかに足りないくらいなら検査の時に工夫のしようもあります。
身長と胸囲の関係
身長が高ければ、自衛隊に入隊できると決まっているわけではありません。胸囲との関係も重要です。胸囲が短ければ体力がない証拠だし、胸囲がありすぎる人は肥満の恐れもあります。そのような人を排除する意味でも、自衛隊では身長と胸囲の条件を重視しています。ただ、多少の前後は見込み合格になりますが、入隊までに基準内になる必要があります。
自衛隊入隊に大事な体重
胸囲と同様に体重にも条件があります。理由は、胸囲の場合と似ています。ひ弱な人では自衛隊の任務は務まらないし、太り過ぎの人では訓練にもついていけないでしょう。この身長と胸囲、体重については、自衛隊の合格基準表があるので、それを参考に自分自身と照らし合わせてください。もちろん、男女別になっています。
自衛隊にとって大きい視力の条件
現代人はスマホやパソコンを操作する機会が多いせいか、視力の悪い人がかなりいます。そういう人でも、自衛隊に入隊できるのでしょうか。このことに関しては最低条件が定められていますが、眼鏡やコンタクトレンズをした人でも、その条件を満たせば、自衛隊に入隊する資格は得られます。レーシックを受けた人でも大丈夫です。
視力にはどのような基準が適用される?
眼鏡やコンタクトレンズが必要ない人は、裸眼視力で0.6以上あれば、自衛隊入隊の条件が整います。逆に、眼鏡やコンタクトレンズが必要な人は、裸眼視力で0.1以上、眼鏡やコンタクトレンズを使った時の視力が0.8以上あれば入隊できる可能性があります。
裸眼視力が0.1未満の人はどうなる?
レンズの屈折率を測る単位にジオプトリーがあります。このジオプトリーの数値が高いと、そのレンズの屈折率が大きいということになります。裸眼視力が0.1未満の人は、どのような屈折率のレンズの眼鏡やコンタクトレンズを使用しているのかが重要です。自衛隊に入隊するには、プラスマイナス8.0以内のジオプトリーで、矯正視力が0.8以上必要です。
自衛隊のパイロットに必要とされる視力の条件
昔に比べて航空機の機器の性能が上がったので、航空自衛隊のパイロットの視力はそれほどよくなくてもOKとなっています。実際に、眼鏡をかけているパイロットも多数います。しかし、それでも一般の自衛隊員よりも視力はよくなければいけません。その視力がどれくらいよければいいのか、航空自衛隊のホームページで公表されています。
航空自衛隊のホームページによると
航空自衛隊のホームページに「よくある質問」というコーナーがあります。このコーナーに、航空自衛隊のパイロットとして入隊するための視力の条件が記されています。それによると、遠距離視力裸眼で両目とも0.2以上、眼鏡をかけた場合が1.0以上、または近距離視力裸眼で両目とも1.0以上なら入隊資格が得られます。
遠距離裸眼視力と近距離裸眼視力

出典: https://tenki.jp
遠距離裸眼視力や近距離裸眼視力という言葉はなじみがないかもしれませんが、遠距離の場合は5m、近距離の場合は50cmの距離から視力表を見て、検査します。しかし、いずれの検査でもパイロットになる条件を満たさないと、入隊できません。もし条件に合致しないのなら、視力を上げるべく努力する必要があります。
コンタクトレンズをつけるパイロットはいない
パイロットの視力の項目で、眼鏡をかけた場合は1.0以上の視力が必要と書きましたが、あえてコンタクトレンズについて触れなかったのは理由があります。航空自衛隊のパイロットにはコンタクトレンズをしている人がほとんどいないのです。コンタクトレンズはずれる恐れがありますが、上空でずれた場合、直すのが大変だからです。
近視矯正手術はNG
近視矯正手術、たとえば、オルソケラトロジー、レーシックなどを受けていると、航空自衛隊のパイロットにはなる資格は得られません。もしすでにこのような手術を受けているのなら、航空自衛隊のパイロットの夢をあきらめなくてはいけません。
けがや病気
自衛隊員は健康でなければ、任務が務まりません。したがって、入隊に当たって健康状態をチェックされます。そのうちの一つが、けがや病気をしているかというものです。一時的なけがや病気なら問題はありませんが、慢性病、持病、任務の遂行に影響があるけがなどの場合は、入隊を断られことがあります。
自衛隊入隊を断られる病気
自衛隊の入隊が断られる病気については、決まりがあります。いくつか例を挙げてみましょう。血液、造血器の病気や免疫機構の異常、精神障害、神経系の病気、目や耳の病気、循環器・消化器・呼吸器の病気、皮膚の病気、生殖器の病気、先天奇形や染色体異常などです。ほかにもありますが、おおよそ持病と思われるものはすべて含まれます。
年齢
自衛隊に入隊するときの年齢制限についてはすでに説明してありますが、もう一度おさらいしてみましょう。自衛官候補生と一般曹候補生の場合は、18歳以上27歳未満で入隊資格が得られます。一般幹部候補生の場合は22歳以上26歳未満が資格取得の条件ですが、修士課程修了者は28歳未満、大学院卒業者は20歳以上28歳未満が年齢制限です。
自衛隊入隊の条件!体力検査はない
自衛隊の任務の遂行には体力を要します。ということは、入隊に当たって体力検査もあるだろうと予想する人も出てきそうですが、実際には入隊時の体力検査はありません。身体検査だけで入隊の是非が決められます。この点少し意外なような気もしますが、体力は後でつければいいということなのです。
自衛隊への入隊が出来ない人の条件とは?
日本国籍がない人
自衛隊は日本の組織であり、日本人の国家公務員が運営するものです。したがって、日本国籍を持たない人は自衛隊員にはなれません。人事院の規則でも、日本国籍を持たないものは日本の国家公務員試験を受けることができない旨が定められています。外国籍の人が自衛隊員になりたければ、国籍取得の手続きが必要です。
親が外国籍の場合はどうなる?
親が外国籍でも子供が日本国籍を有していれば、自衛隊入隊に当たって支障はありません。親の国籍は影響しないのです。しかし、通信関連の部署などでは、本人も親も日本国籍でないと入隊できません。通信部署では、日本の防衛上きわめて重要な極秘情報なども扱います。そのために、外国に情報が洩れることを恐れて、このような措置がされています。
犯罪歴がある人
犯罪歴がある人は自衛隊入隊の資格が得られませんが、すべての犯罪者ではありません。禁固や懲役などの刑罰に処せられ、その執行が行われている間にある者は自衛隊への入隊が認められません(執行猶予も含みます)。また、法令で定められた懲戒処分を食らい、その処分が下された日から2年以上経たないと、やはり入隊資格が得られません。
前科がつかなければ大丈夫
犯罪を犯してもそれほど大ごとでなければ、起訴されないこともあります。つまり、刑罰に処せられないということであり、前科はつきません。前科がつかない犯罪歴の場合は、自衛隊入隊に当たって問題にはなりません。とはいえ、前科がつくかどうかは結果を見ないとわからないので、くれぐれも犯罪を犯さないようにしましょう。
成年被後見人と被保佐人
普段あまり使う言葉ではありませんが、成年被後見人と被保佐人と呼ばれる人がいます。まず、被後見人ですが、精神障害によって判断能力が欠け、後見人の世話を受けなければいけない人のことを言います。一方、被保佐人は、それよりも症状は軽いですが、やはり判断能力が足りない人のことを言います。
ともに自衛隊員にはなれない
自衛隊に入隊すると、高度な判断能力を求められます。したがって、判断能力において問題がある人は入隊資格が得られません。その点からいくと、成年被後見人や被保佐人は、裁判所から判断能力を欠くと認められているので、自衛隊への入隊はできないのです。厳しいようですが、致し方ありません。
暴力で破壊!そんな人は自衛隊に入隊できない
自衛隊は日本を守る組織であり、国民にとって重要な存在です。その自衛隊に入隊しようという人は、暴力的であってはいけません。特に、日本国憲法やその憲法によって成り立つ政府を暴力を用いて破壊しようなどともくろむ団体を結成したり、加盟したりした人は、自衛隊への入隊資格が得られません。当然と言えば当然です。
これらの条件に該当すると資格はく奪も
犯罪を犯す、暴力的な団体を結成する、または加盟するなどの行為は、自衛隊への入隊資格を失うだけではありません。既に自衛隊員なら自衛隊員としての資格そのものもはく奪され、懲戒免職となる場合があります。入隊志望者をふるいにかけるのは当然としても、入隊後の自衛隊員にも厳しく対処するのです。
年齢制限は守ること
自衛隊入隊の年齢制限は破ることはできません。例外は認められていないのです。したがって、自衛隊の年齢制限に合わない人は、自衛隊入隊をあきらめなければいけません。自衛隊は若い人材を求めてるので、一定の年齢以上では資格を得られないのです。これだけは譲ってくれません。
身体検査に通らない人
自衛隊に入隊できる条件について説明してありますが、その条件に含まれる身体検査に合格しないと、自衛隊へは入れません。身体検査の項目はいくつかありますが、一つでも条件に合わないとアウトです。条件の中には自分でどう努力しても変えられないものもあります。しかし、それ以外の項目は何とか改善するようにしましょう。
採用試験合格が入隊の絶対条件
自衛隊入隊への妨げとなるいくつもの条件をクリアしても、採用試験に合格しないことには入隊まで至りません。自衛官候補生、一般曹候補生、一般幹部候補生ごとに試験の内容は違いますが、どの試験も合格に向けて、努力をしなければいけません。せっかくもろもろの条件が整っても、試験に落ちたら元も子もないので、頑張ってください。
自衛隊への入隊試験とはどういう方法?
候補生ごとの試験の内容
自衛官候補生の試験は、1次試験と2次試験の2種類あり、1次試験では教養試験、作文、口述試験へと進みます。2次試験は身体検査と適性検査です。一般曹候補生の試験内容は、1次試験で教養試験、作文、適性検査、2次試験で口述試験と身体検査が行われます。それぞれ試験の内容は似ていますが、難易度が違います。
一般幹部候補生の試験は少し違う
自衛官候補生と一般曹候補生の試験の構成はほぼ同じです。しかし、一般幹部候補生の試験の構成は違います。1次試験と2次試験がある点は同じですが、1次試験では筆記試験のみが行われます。筆記試験だけとはいえ、難しい問題なので侮れません。次に、2次試験では小論文試験、口述試験、身体検査が行われます。小論文試験も簡単ではありません。
教養試験の内容
自衛官候補生の教養問題の科目は、国語と数学と社会です。中学生程度の問題が出るので、普通に勉強してきた人にとってはそれほど難しくはありません。一方、一般曹候補生の教養問題は国語と数学と英語から出題されますが、やや難易度が上がります。もし難易度が上がって不安ならば、過去の問題集で勉強するといいでしょう。
自衛官候補生と一般曹候補生の作文問題
自衛官候補生と一般曹候補生の作文問題は、30分で書き上げます。特に難しい課題が出るわけではありませんが、起承転結に気を付け、筋道をきちんと立てて書くことが重要です。つまり、自分の気持ちを上手に表明することです。
筆記試験

出典: https://jpsk.jp
一般幹部候補生からの自衛隊への入隊を目指す人には、1次試験で筆記試験が行われます。大卒程度と院卒者の試験では内容が違い、前者は1つ、後者は2つの記述問題をこなします。1次試験とはいえ、この試験だけで、かなりの人数がふるい落とされます。それだけに心してかからなければいけません。
どんな問題が出る?
一般幹部候補生の筆記試験には、教養試験と専門試験があり、教養試験は国語、英語、数学、社会などの問題から成り、専門試験はさまざまな分野から一科目選んで受験します。専門試験の科目は多いのですが、大学で習うすべての科目が含まれているわけではないので、自分が得意とする科目が選択できない場合もあります。
7割が目標
大学で学んだことを十分に理解していれば、筆記試験には合格しやすいですが、目標は7割程度の正解です。7割なら自分もできるという人がいるかもしれませんが、やはり分野によっては不得意なものがあるし、得意分野でも思わぬミスをしがちです。したがって、油断しないように予習をしっかり行い、なんとか合格するようにしましょう。
一般幹部候補生の小論文
一般幹部候補生の2次試験で出る小論文は、採用試験の合否を決める重要要素です。小論文の出来いかんで、その後の運命が左右されます。というのも、小論文の評価が低く、不可とされると、その後の口述試験の内容がよくても結果が不合格となるからです。それだけに質のいい小論文を書けるように準備する必要があります。
小論文の出題形式
小論文の課題は時々変わることがありますが、基本的なテーマは大きく外れることはありません。平成28年以降は、時事と国際問題となっています。いずれにしろ、予習が大事です。防衛白書、防衛庁のホームページ、新聞記事、インターネットの情報などに日ごろから目を光らせて、大きな問題には強い関心を寄せましょう。
どのような構成にするか?
小論文は、他の入隊コースの作文問題とは違います。論理をしっかり組み立てて、主張を明確にしなければいけません。その際によく言われるのが、序論・本論・結論です。まず、問題を取り上げ、さまざま情報をもとに主張を展開し、最後に結論を持ってきます。とはいえ、時間と文字数に制限があるので、上手に塩梅することが重要です。
身体検査
自衛官候補生、一般曹候補生、一般幹部候補生の採用試験で行われる身体検査は変わりません。どの入隊コースでも、身長、体重、胸囲、肺活量、視力検査、歯科検査、尿検査、血液検査、胸部レントゲン、問診などが行われます。日ごろ健康に自信がある人でも絶対合格するというわけではないので、注意しましょう。
面接
自衛隊の採用試験の項目に口述試験というものがありますが、これは面接のことです。この面接では、3人の面接担当者が10分から20分程度質疑応答をします。応募者は、入室作法から入室後の態度、言葉遣い、退室作法に至るまで細心の注意を払わなければいけません。その内容により、A~Dのランク付けが行われます。
自衛隊への入隊の応募の必要書類は?
応募するには「志願票」を提出
自衛隊の採用試験に応募するためには、志願票を提出する必要があります。その志願票に必要事項を記入して、地方協力本部へ提出します。なお、入隊コースによっては、受付期間が決まっているものがあるので、必ずその期間内に提出してください。
志願票は「地方協力本部」でもらえる
地方協力本部へ提出する志願票の入手方法ですが、地方協力本部に直接行けば、入手できます。また、自衛官募集のホームページからダウンロードして印刷するという方法もあります。
コールセンターで問い合わせも
自衛隊の志願票については、募集コールセンターにも問い合わせができます。電話番号は、0120-063792です。1年365日受け付けています。休日はありません。また、受付時間は12時から20時までです。
自衛隊への入隊条件など募集要項は毎年変更の可能性があるのでチェック!
ここまで、自衛隊への入隊条件についてさまざまな方面から検証してみました。自衛隊に入隊を希望する場合は、いくつかの道があります。しかし、いずれの場合も条件や基準があるうえに、試験に合格する必要があります。また、それらを含めて募集要項は毎年変わる可能性があるので、入隊希望者は常日頃から確認をしておきましょう。