扶養義務の範囲はどこまで?親や兄弟などの親族の優先順位も調査!

この記事では、漠然としている身内の扶養義務についてまとめました。どの範囲の親戚まで扶養義務があるのか、どこまで扶養しなければいけないのかといった基本的な所から、話し合いがうまくいかない場合の対応など、トラブル回避に必要な基本的な定義、知識を集めました。

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目次

  1. 扶養義務の範囲はどこまで?親や兄弟・子供などの親族の優先順位や扶養の放棄について解説!
  2. 扶養義務とは?
  3. 扶養義務の範囲はどこまでなのか?
  4. 扶養義務と生活保護の関係は?
  5. 扶養義務で裁判沙汰になった場合はどうする?
  6. 扶養義務の放棄について
  7. 扶養義務の範囲のまとめ

扶養義務の範囲はどこまで?親や兄弟・子供などの親族の優先順位や扶養の放棄について解説!

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家族同士助け合っていかなければいけないというのが日本での基本的な考え方と思いますが、そういった扶養に関して法律で定められていることをご存知でしょうか。この記事では、扶養すべき範囲はどこまでか、特に多い親と子供の間の扶養義務はどうなっているかなど、扶養義務に関わる基本的な情報を、法律を押さえながらまとめました。

扶養義務とは?

扶養の意味

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扶養とは、独立した生計を営めない人(要扶養者)の生活を他者が援助することを言います。要扶養者に当てはまる人として、貯蓄がなく心身上の理由や環境を原因として働くことも難しい人になります。扶養には2種類あり、親族など関係のある人の間で扶養する「私的扶養」と国が設けた社会保障制度などが当てはまる「公的扶養」があります。

扶養義務を規定している法律

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扶養義務に関わる法律はいくつかあり、それらをまとめて「扶養法」と呼ばれています。主に民法第877条から881条の「扶養」の章と760条の夫婦の財産に関わる法、820条から833条の親権について説明した法などが関わってきます。

公的扶養の内容

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私的扶養の場合は、仕送りや同居などが当てはまりますが、公的扶養の場合は主に生活保護法に規定されています。内容としては福祉施設や医療費の控除、教育費や住宅費用 の補助などがあり、最終的に生活保護による金銭の補助があります。ちなみに、公的扶養は私的扶養が困難な場合のみ開始されるというのが法律での原則になっています。

扶養義務の範囲はどこまでなのか?

扶養義務が規定されている関係性

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扶養義務について法律で規定されている組み合わせは、「夫婦間」「親と子」「直系血族及び兄弟姉妹」「3親等内の親族」があります。それぞれ扶養義務があるようですが、その強制力やどの程度扶養するべきかといった範囲がそれぞれ違っています。

扶養義務のレベルについて

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扶養義務は2種類あり、「生活保持義務」と「生活扶助義務」とあります。生活保持義務とは、自身の生活がいかなる場合においても扶養する義務があるということです。対して生活扶助義務とは、自身の生活の余裕のある範囲で行えばよい扶養になります。つまり、生活保持義務のほうが強制力が強いということです。

絶対的扶養義務と相対的扶養義務

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更に、親兄弟は法律上相互に扶養する義務が当然にあるという「絶対的扶養義務」と呼ばれる義務があり、3親等内の親族間においては特別な事情があるとき家庭裁判所が審判し扶養義務を負わせられる「相対的扶養義務」があるとされています。

親から子供に対しては強い扶養義務がある

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親には経済的に自立していない子供(未成熟子)に対する生活保持義務があります。根拠となる法律には複数あり断定できませんが、主に民法760条や820条、両親が離婚している場合は877条が関わってきます。未成熟子とは主に未成年者をいい、成人した学生も状況により当てはまります。成人を過ぎ収入がある子供は当てはまりません。

扶養義務のある親子の定義

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扶養義務のある親子とは、これは実子だけでなく、養子や連れ子、継子なども扶養義務範囲に入ります。また結婚していない夫婦からの子供の場合、母子については分娩の事実で確定されますが、父子については認知がされない限り確定できません。ただし、DNA鑑定で確定することも考えられます。

夫婦間の扶養義務も強い

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民法第752条に、夫婦には親子と同じく生活保持義務があると規定されています。また第760条には、夫婦は生活のための費用や家事育児を分担することとその為に同居すべきことなどが規定されています。

直系血族及び兄弟姉妹はお互いに扶養する義務がある

親や兄弟が困窮している場合、子供には扶養義務が発生します。この場合は生活扶助義務になります。規定されている法律は民法877条で、更に法律では血族の範囲について、異父異母兄弟が当てはまること、特別な事情があるときは3親等内の親族も当てはまることが規定されています。

3親等内の親族が扶養義務を課せられる状況

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上記の特別な事情とは、一つは扶養権利者から親や子供と同様に支援を受けた経歴がある場合です。二つは祖父母が死亡したときに、扶養権利者の面倒を見る条件で優先的に財産を相続した場合も当てはまります。通常の親戚関係であれば、扶養を課せられる可能性はとても小さいと言えます。

扶養は自分のできる範囲で構わない

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先に説明した通り、生活扶助義務については自身の余力で扶養すると定められているため、親兄弟やその他親族については絶対的な義務ではありません。また民法877条でも、扶養者が家庭を持っている場合は、自分の家庭の扶養義務を優先するとあります。その為、経済的に苦しい場合は無理をせず、自身のできる範囲で扶養をすれば大丈夫です。

扶養義務と生活保護の関係は?

生活保護が受けられる条件

まず生活保護を受けられる人についてですが、生活保護法では「生活に困窮し、利用できる全てが活用されていて、それでも生活できない人」を対象にしていることが規定されています。具体的に、今ある資産や収入がその地区の定める月最低生活費を下回っていると生活保護が受けられるということです。東京の場合はおよそ月12から13万以下になります。

親が生活保護を受けている場合の子供の扶養

親が貧困により生活保護を受けている場合、その子供の扶養はどうなるかというと、変わらず扶養義務が課せられます。また子供がいる場合、その居住地域や家庭の人数、子供の年齢によって金額も決められるので、きちんと家族で暮らせるように支給をされるようになっています。

扶養を受けていても生活保護は受給できる

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扶養と生活保護の関係についても規定があり、生活保護法4条2項にて「民法に定める扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるもとのする」と定められています。これは仕送り等の扶養を収入と考え、その分保護費を減額させるということです。つまり扶養によって生活保護は減りますが、生活保護を受けられない理由にはなりません。

扶養照会とは

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扶養照会とは、例えば自身が生活保護を申請した際、行政が親や兄弟に「この人を養ったり、援助することはできますか」と確認してくることを言います。これは前述した扶養義務があるために、行うことが原則となっています。対象となる絶対的扶養義務者は親、兄弟、子供と定められており、まれに3親等まで調査が入ることもあります。

扶養照会までの流れ

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扶養照会は、まず扶養の可能性のある人の住所等を調べ、その後扶養届書という書類を相手に送り、必要事項に回答し提出してもらうという流れになります。必要事項とは「電話や相談援助といった精神的な支援はできるか」「仕送りなどの金銭の援助はできるか」「世帯、資産状況の説明」の3項目です。回答内容は特に決まりはありません。

扶養照会は必ず行われるのか

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生活保護を受けたいという人の中には、親兄弟との間に問題がありできれば互いに関わりたくない、いっそ居所を知られたくないという事情の方もいるでしょう。扶養照会の過程で相手には自身がなに町に住んでいて生活保護を申請していることがバレる為不安になりますが、その場合は扶養照会を避ける方法があります。

扶養照会を免除される場合

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扶養紹介が免除されるのは、「年金暮らしや相手も生活保護を受けているといった明らかに援助不可能な状況の人」「虐待やDVがある、育児放棄を受けていた、借金がある、その他マイナス点から関係が悪化している人」などが当てはまります。つまり生活保護を申請した人にとって不利益にしかならない相手には扶養照会は控えられるのです。

扶養照会を免除されるには分かってもらう必要がある

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ただし、相手との関係性については自己申告であり、かつ調査を保留してもらえるほど正直に深刻に伝える必要があります。ただ相手と仲が悪いだけととられると免除してもらえない場合が多いです。行政の担当者にもよりますが、多少なり説得方法を考えておくなどの対策をしておくと良いでしょう。

扶養紹介が来たら従わないといけないのか

基本的には扶養は強制ではありません。前述したように、親兄弟や成人した子供相手の場合「生活扶助義務」にあたります。行政には「援助拒否の理由、絶縁であった理由」を伝え理解を求めれば良いでしょう。更に言ってしまえば届けに対する回答義務もありません。ただしトラブルには注意し、穏便に済む方法をとった方が良いでしょう。

扶養義務で裁判沙汰になった場合はどうする?

扶養のトラブルで起こる「扶養請求調停」

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裁判に発展するときとは、主に扶養について当事者間で決められなかったり話し合いの場が持たれない時、扶養される側かする側が家庭裁判所に申し立てすることがあり、これを「扶養請求調停」と言います。調停手続きでは、まず調停者が状況をできる限り把握して、それに基づいて解決案を提示したり、解決のための支援をし、話し合いでの合意を目指します。

できる範囲で対応をしなければならない

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民法では、基本的に扶養義務に関わる親兄弟及び親族間の問題は、なるべく当事者間の話し合いで解決するのが望ましいと考えられています。この考えに基づいて民法879条では「当事者間に協議が調わない時または協議できない時は、扶養権利者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める」と規定されています。

調停が成立した場合

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調停が成立すると、家庭裁判所は調停証書という公文書を作ります。これは原則として確定判決と同様の強い効力を持っています。つまり調停が成立した場合その結果は順守しなければいけないということです。ここまで完了してしまうと不服申し立てはもう出来ないため、きちんと全部話し、決着を付けるようにしましょう。

調停で成立しなければ審判を受ける

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それでも話が決まらなかった場合に審判手続きが開始され、裁判官による審判を受けることになります。審判では、調停の時と同様あらゆる状況を加味したうえで、裁判官が審判を下します。こうなれば当然、個々の言い分を取り下げて審判に従う必要があります。

兄弟姉妹がいる場合

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例えば親の扶養を子供がする状況の扶養調停にて、兄弟姉妹がいる場合の扶養義務の優先順位ですが、これは年齢順ではありません。「長男が」といった考えはなく、全員の具体的な経済力や経済状況、それぞれの家庭の状況、扶養に対する考えなどを考慮し総合的な判断をしていただけます。

審判が出ても内容を変更できる場合がある

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調停証書及び審判は変更できないと紹介しましたが、状況により変更できることがあります。一つは双方が合意した場合は変更内容を公正証書に記載すれば完了です。二つは決定後の状況が勤めていた会社が倒産したなどで変わってしまった場合です。そうした場合まずは双方での話し合いでの変更を目指し、できない場合は改めて調停を行うことになります。

もし調停や審判を破ったら

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扶養権利者側から説明すると、相手に守る気がないとはっきりしたら履行勧告という無料で裁判所に注意をしてもらえます。それでも守られなければ強制執行という流れになります。強制執行には給料や銀行口座を差し押さえる直接強制と、罰金及び約束を守るよう警告する間接強制があります。

扶養義務の放棄について

扶養を受ける権利は放棄できない

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例えばどれだけ暴力的な兄弟だろうと、何も面倒見てくれなかった親だろうと扶養してもらえる権利があるのかいうと、法律上では権利があるとされています。また民法第881条では扶養請求権について、扶養を受ける権利は、処分することができないと記載されています。権利の譲渡や相続もないし、差し押さえも禁止されています。

親が子供の扶養を放棄したい場合

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親から子供への扶養義務は、「生活保持義務」のもと放棄することはできません。離婚して離れてしまった子供の場合も同様です。更に離婚相手が他者と再婚したとしても扶養義務は継続しますが、この場合再婚相手が第一に扶養義務を負うものとされ、扶養義務を免除されるケースが多いです。

子供が親の扶養を放棄したい場合

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子供が親に対しての扶養を放棄することは法律上可能です。子供から親に対しては「生活扶助義務」があたりますので、生活に余裕があればという前提があります。特にご自身の家庭を持っている場合などは事情の説明をして拒否すれば問題ないでしょう。

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法律上は放棄できても身内が許さない場合もある

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ただしもし親や兄弟が扶養の協力を望んでいる場合は話し合いがこじれてしまったら大きなトラブルにつながる可能性があります。その場合は親兄弟が扶養調停請求をするかもしれませんし、そのまま裁判につながる場合もあります。法律上はこれらを避けることができないため、できる限り妥協点を見つけるしかありません。

親との縁を切ることで完全に放棄できるか

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実は日本では法律上「親子の縁を切る」といったことはほぼ確実にできません。縁切りと似た雰囲気の制度に、子供は、結婚や養子縁組をしなくても成人なら親の戸籍から抜けて一人で新しい戸籍を作ることができるという「分籍」という制度がありますが、これは戸籍を別にしただけで、法律上の親子のつながりには全く関係ありません。

配偶者の扶養を放棄したい場合

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結論から言えば、扶養を放棄することはできません。これは先にご説明した民法752条などが関わってきます。夫婦同士の助け合いは、法律上義務とされているのです。もし一方的に扶養を放棄したりすると、放棄した側は有責配偶者として離婚請求ができなくなったり、裁判になった際はほぼ負けてしまいます。

離婚した配偶者や子供について

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離婚した場合も、子供がいればその子供の扶養義務はあります。離婚したことで親子である事実は変わらないためであり、民法第877条にも規定されています。また配偶者についても相手の困窮や病気など特別な事情があるときは、1から3年程度の期間扶養する義務が発生する可能性もあります。

きちんと話し合うか完全に逃げるか

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上記のように、生活保持義務が課せられていない場合、法律上扶養を強制される場合は少ないと言えます。しかし扶養を求めた相手とこじれないため、やはりちゃんと話し合い社会福祉なども念頭に入れながら負担の少ない妥協点を見つけることが望ましいと言えます。本当に何をしてでも扶養を放棄したいのであれば、居場所を変え音信不通にするのが確実です。

扶養を放棄されたらどう対応するべき?

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扶養を放棄されてしまったら、家庭裁判所を頼ることができます。配偶者の場合は「婚姻費用分担請求の訴え」となり、親の場合は「扶養請求の訴え」となります。これらを家庭裁判所に申請したら、あとは扶養請求調停とほぼ同じ流れをたどります。

扶養義務の範囲のまとめ

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いかがでしょうか、扶養義務の仕組みや適用される範囲など、ケースバイケースで曖昧な部分もありますが、基本的にはどちらの側も無理のない範囲を見つけることが可能です。当事者間で解決が難しい場合、また自身が明らかに不利に追い込まれてしまう場合は司法や行政を頼り、無理に当事者だけでの解決を目指さないことも大切です。

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