2018年10月25日更新
年金定期便の住所変更の手続き方法は?変更の仕方と必要書類を解説!
年金保険料の支払いをしていると、どれくらい納めているかを知らせてくれる年金定期便が自宅に届きます。しかし、住所変更した場合、年金定期便が届かなくなってしまうこともあるようです。そこで住所変更した際はどのような届出、手続き方法なのか、詳しくご紹介します。

目次
納付状況がわかる年金定期便

年金定期便とは、年金保険料の納付金額を通知する手紙のことで、年金保険料を納めている方なら必ず届きます。お引越しなどをしたら住所変更が必要ですが、まずはあまり聞かない年金定期便とはそもそも何か、役割、届く頻度から知っていきましょう。
年金定期便とは何か
自宅に届く年金定期便

年金定期便とは、年金保険料を納付している方へ納付状況を伝えるために、自宅に届く郵便物のことを指します。ハガキのサイズで届くことが多く、今までに納付した金額が明記されています。
見ないまま捨ててしまうことも多い

両面がシール付けされたハガキで届くことが多く、見慣れなければ内容が理解しにくいため、読まずにそのまま処分している方も多いようです。見覚えのある方は、一度じっくり見てみると良いでしょう。
シールをはがすと必要情報がすぐわかる

両面のシール付けをはがすと、すぐに見たくなる情報が並んで出てきます。破ったりしないように上手にはがしましょう。
国民年金も厚生年金も届く
どちらの場合も必ず届く

国民年金に加入している方も、厚生年金に加入している方も届く郵送物ですので、もし届かない方は一度年金事務所に相談してみるのが良い方法です。届いているけれども見ていない方は、ぜひこの機会にじっくり中身を読んでみましょう。
届かない場合は確認を

保険料を納めていれば、どちらの場合も必ず届くものですので、あまりにも届かない場合は年金事務所や区役所、市役所などの年金課で手続き方法のチェックしてもらいましょう。
年金定期便の役割を知ろう
大切な情報が載っている年金定期便

年金定期便の役割とは、ご自身でいくら納めたのかがわかるだけでなく、将来的にもらえるであろう見込み金も書かれています。納付するだけでなく、ご自身の未来のためにも大切な情報が盛り込まれています。
どんな情報が載っているか把握しよう

届いても内容が難しかったり、読みにくいため、そのままにしてしまいがちの年金定期便。気になった今だからこそ、年金定期便が届かない事態を避け、内容や手続き方法をしっかり把握して将来に役立てていきましょう。
年金定期便の見方
年金定期便の通常の内容とは

年金定期便の中で毎年書かれている項目は、国民年金や厚生年金などの加入期間、基礎年金番号や私学共済加入番号、これまでの年金加入期間が明記されています。
年金定期便に書かれている基礎年金番号とは

国民年金や厚生年金などに共通して付けられる10桁の番号を、基礎年金番号と呼びます。以前は国民年金と厚生年金で別々の番号を持っていましたが、今では共通した番号を使用することにより、年金の納付状況などがわかるようになっています。
就職や転職のときに使う基礎年金番号

基礎年金番号は、年金定期便だけでなく、就職や転職の際にも必要になる書類です。生涯同じ番号を使用します。就活や転職、入社のときに慌てないように年金手帳は大切に保管しておきましょう。
年金定期便に書かれている私学共済とは

ここで言う私学共済とは、学校に勤めている教員などの方は、国民年金や厚生年金ではなく、私学共済に加入することで年金保険料を支払っています。国民年金や厚生年金と同等なるものと考えていただければわかりやすいでしょう。
通常の年金定期便でも老齢基礎年金の見込金額がわかる

さらに、加入実績に応じた老齢基礎年金、老齢厚生年金の受け取り見込み金額、これまでの納付額、厚生年金保険の標準報酬の月額、国民健康保険の納付状況などが詳細に書かれています。
年金定期便に書かれている老齢基礎年金とは
今年も年金定期便が着ましたが、更に長生きして元を取る決意をしました( ー`дー´)キリッ#まぁ無理だと思うけど #ボランティア世代 #納付意欲無し pic.twitter.com/NV9njVFogw
— おかっち (@gill5593) February 26, 2018
老齢年金とは、国民年金を納めた方が65歳以上からもらえる年金のことを言います。ポイントは国民年金を納めた方、という点です。国民年金は年金の基礎(土台)ですので、厚生老齢年金の場合は、老齢基礎年金にさらに老齢厚生年金がプラスされて支払われます。
老齢厚生年金は老齢基礎年金に上乗せ
老後に年金はいくらもらえるの? 年金だけではない保障も受け取る為に年金定期便をチェック?|ファイナンシャルフィールド https://t.co/LsgWXDHlex 誰にでも年に一度来るものといえば、そう、誕生日。誕生日がある月は、いろいろな会員向けに優待のお知らせが届くことが多いですよね。 そのなかに混… pic.twitter.com/99c2GtdOvS
— ホットニュース (@_RankingNews) March 29, 2018
厚生年金は会社が社会保険として折半して払ってくれているものです。そのため、社会保険のある会社に勤めている方は、老齢基礎年金にプラスしてもらうことができます。
年金定期便を見ておくべき年齢

通常の年金定期便とは異なり、大切な情報が書かれる定期便があります。それは、ご自身が35歳、45歳、59歳の3つの歳に届く年金定期便です。普段の内容より詳細で大切な内容が届きますので、注意が必要です。その歳に届く年金定期便は、必ず見ておきましょう。
35歳、45歳で書かれている内容とは
直近の月別情報がわかる

35歳、45歳で書かれている内容とは、最近の月別状況です。裏面に過去1年間の月別状況が明記されています。国民年金であれば過去の納付金額、厚生年金であれば標準報酬月額に応じて納付されますので、標準報酬月額が合っているか確認しましょう。
標準報酬月額とは何か

標準報酬月額とは、社会保険料を計算する際に、収入に一定幅の基準を設けて保険料を納める、その基準のことを指します。どこの会社もすべて月額標準で社会保険料を計算しているので、確認してみると面白いでしょう。
年金定期便で年金の支払い履歴もわかる

35歳で送られてくる年金定期便では、何歳から何歳まで年金に加入し保険料を納めてきたのかがすぐわかるようになっています。支払っていない期間がある方は、10年まで遡って支払えるので未払い期間のある方は年金事務所に相談へ行くと良いでしょう。
年金加入履歴とは

年金加入履歴とは、今まで加入していた年金加入の履歴を指します。国民年金に加入をしていたり、厚生年金に加入していたり、人によってその種類、期間は様々です。年金加入履歴を見れば、いつどれくらい加入していたのか、簡単に知ることができます。
遡って支払える年金

ご自身の家庭の状況や収入面から、一定の期間年金保険料が納められないこともあります。その場合、10年に遡り未納部分を納めることができます。もし支払っていない期間があれば、年金事務所に相談をし遡って支払うのも良い方法です。
遡らない方が良い場合もある

特に高齢になってきている方で、遡って支払うことがご自身にとって、将来的にプラスなのかをしっかり見極めてみたい方は年金事務所で確認をしましょう。また、空欄となる支払い期間がある方も、今後一度確認しましょう。
注意すべきは59歳で届く年金定期便
59歳で届く年金定期便とは

さて、59歳の場合はどのような年金定期便が届くのでしょうか。書かれているのは、上記の項目だけでなく、いよいよ年金の支給見込みが明記されて届くようになります。
年金の受け取り見込み金額がわかる
35歳、45歳で書かれていた見込み金額は、老齢基礎年金、老齢厚生年金の見込み金額であって、実際に支給される内容ではありません。しかし、59歳になると受け取れる見込み金額がわかるようになります。
50歳以上の方の年金定期便を見るポイント

50歳以上の方の場合、年金定期便を見る際に注意すべき点があります。それは、老齢年金の見込み金額についてです。国民年金ですと、保険料を誕生月の前月まで支払ったものと仮定し計算されます。
実際の金額は多い場合も

厚生年金では、60歳までの標準報酬月額で計算されます。実際には加給年金や厚生年金の分が上乗せされていませんので、実際はもっともらえる金額が大きくなります。
年金定期便が届く頻度は
届くのは年に1回

頻度としては、年に1回、毎年年金を受ける方の誕生月に届きます。ただし、1月生まれの方だけは、前年の12月に郵送されますので注意が必要です。この年金定期便が郵送され始めたのは、2009年4月からですので、それ以前は郵送されていません。
ねんきんネットならいつでも確認可能

日本年金機構が運営している「ねんきんネット」であれば、年1回の年金定期便を待たずとも年金の納付状況を簡単に確認できます。
ねんきんネットも活用してみよう
ねんきんネットとは

年金の納付状況や見込み金額などは、年金定期便でないとわからないかと言うと、そうではありません。「ねんきんネット」に登録すると、今の状況がインターネット上で見ることができます。
ねんきんネットで見られる情報

ねんきんネットで見られる情報は、将来受け取れる見込み金額の計算、過去の年金支払い記録、保険料の払い漏れ、届出漏れが見られます。
未払い分もインターネット上で見られる

さらに、ねんきんネットで見られる情報は、今でも納めることができる年金の金額、届出書の作成、受給者の年金振込の確認を知ることができます。
便利なねんきんネット

インターネット上で年金の納付状況からもらえる見込み金額までわかるため、知っておくととても便利なサービスです。見てみると非常に参考になりますので、ぜひ興味のある方は登録してみましょう。
登録する場合は年金定期便が必要

ねんきんネットは、お手元に年金定期便を用意することで、登録することができます。便利にいつでも見られるために、登録をしておくとすぐに納付状況が確認でき便利です。
将来設計に役立つ年金定期便・ねんきんネット

ここまで年金定期便とはどんなものか、ねんきんネットとは何か詳しくご紹介してきました。今の時代、年金だけでは老後は生活しにくいと噂されていますが、実際にご自身の目で将来設計を考え、年金についても知識をつけておくと非常に役に立ちます。
漠然と不安になる前に

どこの家庭の若者も、将来年金はもらえるのか不安になっています。漠然とそのまま過ごすより、年金定期便やねんきんネットを上手に活用し、将来的にいくら貯めるかの目安にしましょう。ご自身の目で確認し、今後を考える良いタイミングになるでしょう。
住所変更した場合の手続きは
もし引っ越しなどで住所が変わった場合、年金定期便の手続きはどのようにしたら良いのでしょうか。国民年金か厚生年金かでも変わってきますので、届かないことがないように届出方法を必ずチェックしておきましょう。
年金定期便の住所変更1:厚生年金加入者
住所変更の手続きは会社が行う

会社にお勤めの方は、住所変更したらまずは会社の人事の方に伝えます。伝えると会社の書類だけでなく、健康保険や年金などの社会保険の住所変更もすべて、会社が手続き方法を確認し届出を行ってくれます。
住所変更の手続きは自分で行わなくてOK

すべて会社が行ってくれるため、ご自身で年金事務所に行く必要はありません。ただし、人事の方も社会保険の住所変更は忘れがちですので、届かないなど気になった方は、届出されているか確認しておくと良いでしょう。
引っ越しが決まったら事前に報告をしよう

引っ越しが決まったら、会社の上司や人事、総務の方に早めに報告しましよう。人事異動を含めてすでに今後のステップアップを考えている場合もあります。引っ越しが決まり次第、早めに相談しておきましょう。
住民票などを見せる場合も

手続きは会社が行ってくれるとは言っても、住所が変わった証明に住民票などを人事、総務の方に見せなくてはならない場合もあります。住所変更した際にどんな書類が必要か、会社に確認をしておくと良いでしょう。
人事・総務も気を付けるべき手続き

社会保険の住所変更はすぐに行わなくても大きな影響がないため、つい抜けてしまいがちです。人事や総務の方は、従業員の年金定期便なども考慮した上で手続きを進めましょう。
被保険者住所変更届を使用

人事、総務の方の手続き方法ですが、日本年金機構のHPから用紙をダウンロードします。資料の名前は、「健康保険厚生年金 被保険者住所変更届」です。従業員に扶養者がいる際は、同居している場合であれば被扶養者の住所変更は書かなくて構いません。
従業員の住所変更は迅速に行おう

社会保険の住所変更はすぐに影響のあるものではないですが、後になるほど手続きすべき従業員も増え後手に回りやすい仕事です。従業員の住所変更こそ、会社の届出だけでなく保険関係もしっかり早めに進めておきましょう。
年金定期便の住所変更2:国民年金加入者
国民年金事務所で手続きを

国民年金に加入している方や自営業の方は、国民年金事務所や区役所、市役所などの国民年金課へ届出をし、住所変更の手続きを行います。
必要書類を確認しよう

その際は、二度手間にならないように、必ず必要な持ち物の確認をしておきましょう。身分証明書や年金手帳、場合によっては印鑑なども必要になるかもしれません。届出をする前に電話で確認をしておくと便利な方法でしょう。
年金定期便の住所変更3:配偶者
会社が住所変更手続きを行う

会社員の配偶者の場合、第3号被保険者となり、会社の人事の方が届出の手続きを行ってくれます。この場合も年金定期便の住所変更1と同様に、会社に住所変更の旨を伝え、会社が手続きを行います。
配偶者も引っ越しているか確認を

長期出張などで被保険者と配偶者の住所が異なる場合、被保険者だけ住所変更をしなければならない場合もあります。人事や総務の方は、被保険者とその扶養者が同居しているのか、住まいが異なるのか必ず確認をしましょう。
異なる場合は記入方法に注意

住まいが異なる場合は、被保険者と被扶養者の欄にそれぞれの住所を記入し、年金事務所に送付します。人事や総務の方は必要事項を記入し、代表印を押してから提出しましょう。
代表印もしくは会社院と認印をもらおう

代表印もしくは会社印と代表者の認印がないと、住所変更が認められないため、提出前に書類を必ず確認しましょう。
住所変更されていなければ会社に確認を

繰り返しになりますが、社会保険関係の住所変更手続きは、人事や総務の方も忘れやすいものです。届出や手続き後でも年金定期便が届かない場合は、一度会社の人事、総務の方に確認をし、方法を聞いた方が良いでしょう。
住所変更に必要な書類を確認しよう

国民年金、厚生年金の住所変更を行う場合、新しい住所がわかるように住民票が必要な場合もありますので確認し、他に必要な物、書類、方法などを事前に情報を集めておきましょう。
住所変更の手続きにどれくらい掛かるか
住所変更期間は1週間から2週間程度

国民年金、厚生年金の住所変更手続きに掛かる時間は、約1週間から2週間程度と言われています。年金定期便が届く頃のお引越しですと、間に合わず前の住所に届く可能性があります。
住所変更した場所に届かない場合は

新しい引っ越し先に届けたい場合は、住所が決まり次第早めに年金事務所などで届出や手続きを行うか、転送手続きを行いましょう。年金定期便が届くのは1年に1回ですので、引っ越し後の手続きでも十分間に合うことも多いです。
住所変更したのに届かないときの方法

住所変更したことを年金事務所や会社に伝えても、混雑や多忙から届出や手続きが遅れる場合もあります。変更には1から2週間程度掛かりますので、それ以上掛かり届かないようであれば、会社や年金事務所に手続き方法について確認をとりましょう。
会社や年金事務所に住所変更を確認してみよう
住所変更の進捗を会社に聞いてみよう
年金定期便がきた。今のところ将来の年金は、月々4万円もねぇ!しかも20年受給した場合とかなぐさめの金額あるけど、85まで生きる自信なしっ。。。 pic.twitter.com/jzUd1eSk
— morotaro (@morotaro) December 3, 2011
もし時間が経ってもなかなか年金定期便が届かない場合、会社員の方であれば会社の人事、総務の方に問い合わせましょう。届出がでていない可能性もありますので、聞いておきましょう。
住所変更時に出すべき書類がある場合も

住所変更となると、会社へ新しい住所がわかる住民票などの書類の提出が必要になります。そういった書類が確認できないと、厚生年金の住所変更の届出をしてもらえないケースもありますので、届かない事態が起こる前に、手続き方法を確認しておきましょう。
あまりにも届かないときは
帰宅したら年金定期便てぇのが来てて、1年間の受取見込み額ってのが記載してあったんやけど、ホンマにこの記載額貰えるんやろか…
— けろかず(ただの蛙丸) (@kerokazu) February 12, 2016
わしらの年金が・・・ pic.twitter.com/x6xjVKvLgZ
住所変更の届出や手続きをしたけれど誤って届く、あるいは住所変更された様子がなく届かない場合は、会社ではなく年金事務所に相談してみましょう。届出や手続きの途中でトラブルや問題が起きている場合があります。なぜ届かないのかしっかり確認しておきましょう。
年金定期便をチェックしよう
送り先の、熊本西年金事務所へ。 pic.twitter.com/YQ4yaWonHs
— 坂口恭平 (@zhtsss) April 1, 2013
届いていても気に留めにくい年金定期便ですが、通常に届くものでもとても大切な情報が載っていることがわかってきました。毎年届いたらしっかり確認し、将来的にどれくらいもらえるのか把握をしておきましょう。住所変更の方法も理解し、届かないことがないようにしていきたいものです。