2018年10月24日更新
任意保険と強制保険の違いを解説!加入率や補償など気になる点を網羅!
自動車保険には任意保険と強制保険があるのはご存知でしょうか。それぞれの違いと任意保険の必要性や補償などについてご紹介します。これから任意保険に加入しようと考えている方、任意保険に加入していても補償内容を理解していない方はぜひご覧ください。

目次
- 自動車保険は任意保険と強制保険がある
- 違反すると1年未満の懲役?加入義務の強制保険
- 最大4000万円まで補償!強制保険の目的と補償内容
- 強制保険だけだと不安?!入っておくと安心な任意保険
- 補償内容が違うだけ?任意保険と強制保険の違い
- 自分のケガや車の修理まで!任意保険の幅広い補償範囲
- 任意保険は3つの基本補償から成り立っている
- 賠償金もこれで安心!任意保険と賠償責任保険
- 搭乗者のケガもしっかり補償!任意保険と傷害保険
- 盗難まで補償?入っておくと安心な任意保険と車両保険
- 万が一の時!任意保険会社の手厚いサービス
- 事故発生!任意保険会社の事故対応
- 加入者特典!任意保険の無料ロードサービス
- 自分に合わせてカスタマイズ!任意保険を安心にする特約
- 対物超過修理費用補償特約とは?任意保険におすすめの特約
- 任意保険に弁護士費用等補償特約を付けると良い理由
- 任意保険の保険料を抑えたい時には運転者限定特約
- 意外と少ない?!任意保険の加入率は?
- 任意保険に加入して楽しいドライブを
自動車保険は任意保険と強制保険がある

自動車保険には「任意保険」と「強制保険」の2種類があります。この保険は、それぞれ保険金額や補償範囲なども異なります。これから、実際にどのような違いがあるのか、強制保険だけで十分なのか、任意保険の必要性も含めてご紹介します。
違反すると1年未満の懲役?加入義務の強制保険
『今さら聞けない自賠責保険。加入を忘れると結構重い処罰も・・・。えっ、なんだっけ、って方へお伝えしたいブログです。』カワサキショップ山梨 ブログ|https://t.co/B1Dle4L6YK #自賠責保険
— 吉田雄介 カワサキのバイク屋さん山梨県 (@yusukeyoshida7) December 2, 2017
自動車損害賠償保障法に基づいて加入することが義務付けられている強制保険。もし、違反した場合には、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」「免許停止処分」という厳しい罰則が定められています。また、自賠責保険の証明書を所持していないだけでも30万円以下の罰金を科せられることになります。
最大4000万円まで補償!強制保険の目的と補償内容

強制保険は、被害者の救済を目的としています。そのため、交通事故が発生した場合に人身事故のみを補償する保険となります。補償の限度額は被害者一人につき、死亡3000万円、ケガ120万円、後遺障害75万円から4000万円です。

繰り返しになりますが、強制保険は人身事故のみを補償する保険です。つまり、相手の車の修理代や自身の車の修理代が支払われないだけでなく、搭乗していた家族や友人、恋人が事故により死傷した場合には補償はなにもありません。さらに、強制保険で補償される金額を超えた分については自己負担する必要性があります。

強制保険は補償範囲、保険金額ともに限定的であるため、万が一の時には補償が不十分な可能性があります。そのため、万が一に備えてこれからご紹介する「任意保険」に加入する必要性があります。
強制保険だけだと不安?!入っておくと安心な任意保険

任意保険は、強制保険だけでは補償されない範囲まで補償してくれます。重大な人身事故を起こしてしまい賠償金が強制保険の補償金額を大幅に超えてしまった場合でも任意保険に加入しておくことで補償してくれます。

任意保険に加入していることで後述している事故対応も代行してくれます。事故発生後はパニックになっていることも多く、的確な行動が取れない可能性があります。任意保険に加入しておくことで事故発生時の初期対応などのアドバイスをしてもらえます。
補償内容が違うだけ?任意保険と強制保険の違い
強制保険は、事故の被害者のみを補償する保険で必ず加入する必要性がある保険です。それに比べて任意保険はその名の通り加入するか自由な保険です。また、保険料や補償内容についても強制保険はどこで手続きしても変わりませんが、任意保険は保険会社ごとに異なる保険料・補償内容になります。
自分のケガや車の修理まで!任意保険の幅広い補償範囲

任意保険は、強制保険のように事故の被害者に対する補償だけではありません。補償範囲は保険会社との契約内容によって変わりますが、自分自身のケガや車の修理代などは任意保険でしか補償できません。
任意保険は3つの基本補償から成り立っている

任意保険は大きく分けると3つの補償内容があります。被害者に対して与えた損害に対する補償である「賠償責任保険」、自分や搭乗していた家族や友人に対する補償である「傷害保険」、自分の契約車の修理代などを補償する「車両保険」です。
賠償金もこれで安心!任意保険と賠償責任保険

賠償責任保険は「対人賠償責任保険」「対物賠償責任保険」の2つがあります。「対人賠償責任保険」は、事故により相手にケガをさせたり、死亡させた場合に補償を受けることができる保険です。
強制保険とほとんど補償内容は同じですが、強制保険では相手が家族であっても補償されるのに対して、対人賠償責任保険では家族は補償範囲外となります。また、任意保険は強制保険の補償額を超えた賠償金を補うための保険です。

「対物賠償責任保険」は、事故により相手の車に傷を付けた場合など修理費として補償を受けられる保険です。また、対物賠償責任保険の補償範囲には「直接被害」と「間接被害」の2種類があります。

直接被害は、事故による相手の車の修理費やガードレール、電柱などを破損させた際の修理費などを指します。間接被害は、事故によって本来得られたはずの利益を受けられなくなった場合の補償です。

例として、お店に車が突っ込んだ場合の壁やガラスなどの修理費は直接被害の対象ですが、修理している間の売上や従業員の給与は間接被害の対象となります。この間接被害による賠償金は高額になることが多く、過去には電車に突っ込んだために賠償金が1億円を超えたこともあります。
搭乗者のケガもしっかり補償!任意保険と傷害保険

傷害保険は、事故の際に自分や搭乗者が死傷した場合に保険金が支払われます。一般的に「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」の2つに分けられます。
人身傷害補償保険では、搭乗中に事故で死傷した場合に過失の割合を問わずに実際の損害額に応じて補償してもらえる保険です。単独事故でも保険が利用でき、契約者とその家族であれば搭乗中だけでなく歩行中の事故であっても保険金を受け取ることができます。
搭乗者傷害保険では、契約している車に搭乗中の事故による死傷に対して、あらかじめ決められた補償を受けられます。例えば、ドアに指を挟んでケガをした場合なども保険金請求ができます。また、この搭乗者傷害保険は保険を利用しても等級に影響がない点が特徴となります。

人身傷害補償保険では、実際の損害額を計算する必要があるため保険金の支払いに時間がかかることがありますが、搭乗者傷害保険では、ケガの部位と症状が判明したタイミングで定額の保険金が支払われます。また、契約中の車に搭乗していれば家族・他人の区別なく補償されます。

搭乗者傷害保険では、実際の事故の際に相手からの対人賠償、人身傷害補償保険を併用して利用することができるのも特徴です。事故により長期の入院となった場合にもすぐに保険金が支払われるため人身傷害補償保険だけでなく両方の保険に加入していると安心です。
盗難まで補償?入っておくと安心な任意保険と車両保険
車両保険は、事故や災害などにより契約している車が損害を受けた場合にその修理費を補償してくれます。車両保険の補償の範囲は事故や災害だけでなく当て逃げや単独事故、盗難なども含まれます。車両保険はその補償範囲の広さから保険料が高く設定されていることが多く、加入率は低めです。

車両保険の高い保険料を安くする方法として「免責金額の設定」と「エコノミー補償」があります。免責金額は、事故などで修理費が発生した場合の自己負担額を指します。免責金額を設定することで自己負担額を超えた分の範囲を補償してくれることになりますが、保険料は安くなります。

エコノミー補償とは、車両保険の補償範囲を狭めたものです。保険会社によってエコノミー補償の範囲は異なりますが、一般的に他車との衝突による車の修理費のみを補償してくれます。補償範囲は狭まりますがその分、保険料は通常の車両保険と比べて約80%ほどに減ります。保険料は抑えたいけど車両保険は付けたいという方はエコノミー補償を利用すると良いでしょう。
万が一の時!任意保険会社の手厚いサービス
任意保険会社は、保険金を支払ってくれるだけではありません。任意保険に加入するメリットは他にもあります。例えば、任意保険に加入していなければ事故発生後の初期対応から自動車損害賠償責任保険の交渉、示談交渉などの作業を自分自身で行う必要性があります。
今日の夜勤、疲れた、、。ヘトヘトで帰る途中で追突事故にあってしまった。。しかも信号待ちの出来事で一方的。警察行ったらスマホを見てたんです。と!怒鳴ろうかと思ったけど、こらえた。とりあえず明日、病院に行きます、、。無事故だったのに悔しい。#事故った 車
— 猫恋雨 (@catheartloveruu) November 19, 2017
任意保険に加入している場合であれば、いざ事故を起こしてしまった時、何をすれば良いのか保険会社に確認を取ることでその後の交渉が不利になることなく進めることができます。では実際に事故が発生した場合に、保険会社はどのような事故対応をしてくれるのでしょうか。
事故発生!任意保険会社の事故対応

事故を起こした場合には、ケガ人の救護、警察への連絡を行います。その後、保険会社に連絡をして事故受付を行います。事故受付が終わるとレッカー車の準備や担当者を現場に派遣してくれます。その時点では、保険金が受け取れるか分かりませんが自動車事故の初期対応を改めて確認しましょう。

事故の相手との連絡や交渉については、任意保険会社が対応してくれます。当事者同士で連絡や交渉をするとトラブルに発展する可能性がありますので任せるようにしましょう。また、入院や治療費についても病院に支払いの手続きしてもらえます。

その後、事故現場など事故状況を確認し相手方との交渉を行ってもらいます。この時に、交渉が難航するなどトラブルが起きた場合には訴訟になる可能性もありますが、弁護士の紹介をしてもらうことができます。任意保険に加入しているとこの事故対応を全て任意保険会社が行なってくれるため非常に心強いです。
加入者特典!任意保険の無料ロードサービス

最近では、事故による救急や警察への連絡などのアドバイスの他にロードサービスを提供してくれるところが増えています。このロードサービスは、事故以外の時にも使用することができ、ロードサービスのみであれば等級に影響することなく利用できます。

保険会社によりますが、ロードサービスが無料で利用できる保険が数多くあります。内容は保険会社によって変わりますが、「ガス欠」「バッテリー上がり」「目的地までの交通費」「キャンセル費」「レンタカー費」「ホテル代」などが全て無料で利用できます。

ロードサービスというとJAFが一般的ですが、JAFとの大きな違いは次の通りです。JAFは契約者に対してロードサービスを行なっているため知人の車やレンタカーなどもロードサービスの対象になります。任意保険は契約している車に対してのみロードサービスを提供します。レンタカーや知人の車に乗る機会が多いのであればJAFと併用するのもおすすめです。
自分に合わせてカスタマイズ!任意保険を安心にする特約

任意保険は、3つの基本補償の他に補償を追加することができる特約が存在します。特約は保険会社によって様々な特約が存在しますが、その中でも加入率の高いおすすめの特約をご紹介します。
対物超過修理費用補償特約とは?任意保険におすすめの特約

まずは、対物超過修理費用補償特約です。対物賠償責任保険があればこの特約は必要性に疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。対物賠償責任保険で補償される範囲は時価までしか補償されません。そのため、時価を超えた修理費については対物超過修理費用補償特約で補償する必要性があります。

法律上では賠償責任の金額は時価までとなっているため時価を超えた修理費については支払う責任はありません。しかし、時価までの修理費までしか払わなかったことで示談交渉がスムーズにいかないことがあります。加害者には刑事責任の処分が控えているため示談交渉をスムーズにするためにも対物超過修理費用補償特約を付けておくことをおすすめします。
任意保険に弁護士費用等補償特約を付けると良い理由
自動車事故に巻き込まれ、こちらの過失が0の場合、自分のとこの保険会社は登場(交渉)できません。相手保険会社からどうも納得できない条件を突き付けられたとき!「弁護士費用」特約が威力を発揮します。こちらは弁護士を登場させることができるんです!ご確認を! #弁護士費用 #自動車保険
— 間違いだらけの保険あるある (@fp5555) May 11, 2015
弁護士費用等補償特約についてご紹介します。任意保険に加入している場合には保険会社が相手方との交渉を行なってくれることが一般的です。そのため弁護士に依頼する必要性がないと思われるかもしれません。しかし、もらい事故など過失が相手に100%ある場合にはどうでしょうか。

過失は100%相手なので加入している保険会社は保険金を支払う必要がありません。そのため、保険会社は相手方と交渉などを行なってくれないため、自分自身で損害賠償の交渉をする必要性が出てきます。

自身で損害賠償の交渉をした経験をお持ちの方は少ないでしょう。そのような時にこの弁護士費用等補償特約があれば、弁護士に代理交渉してもらうことができます。弁護士に代理交渉をしてもらうと数十万円の費用がかかってくるためこの特約を付けておくことをおすすめします。この特約を利用しても等級は影響を受けません。
任意保険の保険料を抑えたい時には運転者限定特約

任意保険の保険料を少しでも抑えたい時には、「運転者限定特約」と「運転者年齢限定特約」がおすすめです。この特約は、補償範囲を狭めることで保険料を抑えることができる制度です。運転者限定特約を利用すると「本人限定」「本人と配偶者」「本人と家族」といった範囲で選択できることが一般的です。
誕生日は自動車保険の見直しタイミング!? 保険料を安くする「年齢条件」とは #自動車保険 #保険 #ニュース https://t.co/bD950kLzzR
— オリコン日本顧客満足度ランキング (@oriconCS) May 23, 2017
運転者年齢限定特約は、年齢条件を「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」など選択することで補償範囲を狭めることで保険料を抑えることができます。保険会社によっては友人などは年齢条件の対象外になるなど条件が異なってきますので確認するようにしましょう。

運転者を限定することで保険料を抑える場合には、自身の生活環境に合わせた特約に加入する必要性があります。条件に合わない状態で事故を起こしてしまうと保険が利用できない危険も出てくるため注意してください。
意外と少ない?!任意保険の加入率は?

任意保険には様々なサポートがありますが、実際の加入率はどのくらいなのでしょうか。賠償責任保険の加入率は約8割、傷害保険の加入率は約7割、車両保険の加入率は約4割です。特に賠償責任保険の加入率が7割ほどと10人に2人は無保険というデータがあります。
車検の時、必要な自賠責保険の証書
— kanematsutarou (@kanematsu32123) July 1, 2016
危ない外人さん日本で増殖中、無車検の車いっぱい走っていますよ。
事故にあったら弊社へご相談を!任意保険は当然未加入です。 #自動車保険
今更だけどおさらい。自賠責保険 https://t.co/5yUAyCTjYz
任意保険の加入率は年々微増していますが、未だに未加入の人は多いです。特に、都道府県によって加入率は大幅に変わります。都市部の東京や神奈川、大阪などは加入率は高く約9割が加入していますが、沖縄などの地方では加入率が6割を切っているところもあります。

加入率の低い地域で万が一事故にあってしまうと加害者から任意保険による補償を受けられない可能性があります。任意保険は、自分自身が事故を起こしてしまった場合のためだけでなく、被害者になってしまった場合にも守ってくれる保険です。

任意保険に加入している型でも賠償責任保険だけに加入されている方も多く、傷害保険へ加入していない方も見受けられます。万が一の際に搭乗している家族や友人、恋人が死傷するかもしれません。任意保険に加入する必要性は高いのではないでしょうか。任意保険に加入していない方は一度加入する必要性を考えてみることをおすすめします。
任意保険に加入して楽しいドライブを
自動車事故を起こしてしまった場合には、強制保険だけでは補償が足りない場合が多いです。任意保険に加入していることで、強制保険だけでは補償されない範囲までカバーできることから加入する必要性があります。万が一の時のためにも任意保険に加入して安心したドライブを楽しみましょう。