2018年10月24日更新
国民健康保険も年末調整で控除可能?必要な証明書や書き方・注意点まとめ
国民健康保険に加入していた年と社会保険に加入していた年が一部被っているという人も珍しくありません。そんな時は保険料を年末調整で控除するという方法がおすすめです。国民健康保険の保険料は意外と高額なので節税のためにも年末調整で控除すればお得です。

目次
- 年末調整で国民健康保険を控除する方法を知ろう
- そもそも年末調整ってなんのこと?
- 年末調整と確定申告はどんな違いがあるのか
- 国民健康保険に加入している人ってどんな人?
- 国民健康保険は年末調整で控除可能なのか
- 国民健康保険以外にも?年末調整で控除できる項目
- 国民年金も年末調整で控除することが出来る
- 国民健康保険や国民年金を年末調整で控除できる人
- 年末調整で国民健康保険を控除するための方法
- 国民健康保険は控除証明書が必要ない
- 年末調整で提出する書類には何があるの?
- 年末調整で提出する保険料控除申告書の書き方
- 年末調整で国民健康保険料を控除する注意点
- 国民健康保険料を控除する注意点1
- 国民健康保険料を控除する注意点2
- 国民健康保険料を控除する注意点3
- 年末調整を利用して国民健康保険を控除しよう
年末調整で国民健康保険を控除する方法を知ろう

国民健康保険の保険料は年末調整を利用することで控除することが可能です。国民健康保険は社会保険のように会社と折半するものではないので、保険料がすべて自己負担になってしまいます。そのため、年末調整で控除することが大きな節約に繋がります。この記事では国民健康保険を年末調整で控除する方法について詳しく解説していきます。
そもそも年末調整ってなんのこと?

国民健康保険の保険料を年末調整で控除する方法について解説する前に、年末調整について簡単に解説していきます。年末調整とは文字通りその年の年末に納めた税金額を調整することです。基本的に納めるべき税金は毎月の給料からあらかじめ引かれています。その引かれた税金の総額が正しいのかどうかについてチェックする作業が年末調整です。
正直に言うと、ここまで寝なかったのはアルベスキンにウキウキしてて眠気飛んでました。
— さる@教会はアカン (@souyan1129) December 29, 2017
まだ銀行に残してるけど、手持ちで足りるならこのままで行く。
(いやね?年末調整とか税金とか国保とか色々めんどくさい出費重なって実はお金ないのよ) pic.twitter.com/O6fyB4Hz1A
もし、納めるべき税金が足りない場合は追加で納めるように指示されますが、基本的には納め過ぎていることが殆どです。そのため、この記事で紹介する国民健康保険の保険料を税金から控除することが出来ればさらに納めるべき税金額が減ります。納める税金が少なくなれば納め過ぎている分が返還されれるので、控除は非常に重要であると言えます。
年末調整と確定申告はどんな違いがあるのか

年末調整と並んで耳にするのが確定申告です。年末調整は主に雇用されている人が対象であり、年末調整は会社側が行ってくれます。対して確定申告は毎月の納税ではなく、年間の納税額を自分で調べて一括で納める必要があります。また、時期についても年末調整が12月であることに対して確定申告は2月から3月が申告期間となっています。
国民健康保険課です。年末調整・確定申告の季節到来!申告の強い味方「口座振替済はがき」を現在お送りしてます。いま口座登録すれば1年後お手元に!納めた保険料が一目瞭然です!手続きはこちらhttps://t.co/ccLGBfG4Ik pic.twitter.com/Dub4NHjplu
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ちなみに会社で年末調整を行ったからと言って、確定申告の必要が無いという訳ではありません。年末調整は会社で行われるため、個人で別途申告を行う必要は殆どありませんが、確定申告は場合によって年末調整とは別に申告する必要があります。年末調整と確定申告は似ていますがあくまで異なる申告方法なので注意して下さい。
国民健康保険に加入している人ってどんな人?

多くの会社員は基本的に社会保険に加入しているため、どんな人物が国民健康保険に加入しているのか知らないという人も少なくありません。国民健康保険に加入しているのは自営業などが主に挙げられます。しかし、国民健康保険は全国民に加入義務がある健康保険であり、社会保険加入者は免除を受けているという扱いになります。
国民健康保険を滞納していた…年末調整に影響はあるの? https://t.co/M3A8FcIAv8 pic.twitter.com/eSjLtn9iEW
— NDS編集長 (@news_de_smile) July 12, 2016
国民健康保険は社会保険に加入している人や親の扶養に入っている場合などは免除を受けることが出来ます。その他にも失業者や被災民などは申告をすることで国民健康保険の免除を受けることが可能になります。このように実際は国民健康保険の加入対象者であっても実際には免除を申告しているため加入する必要が無いという人が非常に多いです。
国民健康保険は年末調整で控除可能なのか

まず結論から言えば国民健康保険の保険料は控除することが可能です。控除とは基礎控除や所得控除のように収入を低く換算することが出来る項目であり、控除が大きくなればなるほど所得が減ることに繋がるので、結果的に納税額が少なるという利点があります。ただ、多くの人が勘違いしているようですが控除は税金から直接引かれるわけではありません。

例えば年収が300万円で納税額が80万円であった場合、控除が50万円分あれば納税額が30万円になるという考え方は誤りです。あくまで控除額は収入から引かれるため300万円から50万円を引き、250万円の所得を元に税金を計算しなおします。前提となる所得金額が小さくなればもちろん納税額も低くなりますが、直接引くほど低くはないので注意して下さい。
国民健康保険以外にも?年末調整で控除できる項目

年末調整で控除することが出来るのは国民健康保険の保険料だけではありません。国民健康保険とセットで扱われることが多い国民年金についても年末調整で控除することが可能となっています。国民健康保険は社会保険と異なり、医療保険しか対象となっていないため年金保険には別途で加入する必要があります。
暫く前に来てた書類。
— 札幌市金買取 エコプランニング麻生 (@sapporokin) December 6, 2016
年末調整。
毎年、税金や国保の支払いに追われて
余裕がないですね。
サラリーマンが良かったと思う時期です。 pic.twitter.com/F0BWLWqPSk
つまり、社会保険は厚生年金が保険料に含まれていますが、国民年金は国民健康保険同様に全額を自己負担する必要があるという事です。この2つの保険料の納付額は決して安くないため、年末調整で控除することが出来れば大きな節税対策にも繋がります。年末調整で控除を考えている人は必ず国民年金の保険料も忘れないように注意が必要です。
国民年金も年末調整で控除することが出来る
厚生年金と国民年金の違いについて

国民年金と厚生年金は社会保険加入者が払う年金か国民健康保険加入者が払う年金かという違いがありますが、他にもいくつかの相違点が存在します。まず、国民年金の年金保険料は毎月一定額となっています。一方で厚生年金についてはその人の収入よって変化するため、基本的に年金保険料は厚生年金の方が割高となっています。
実際に支給されている国民年金の平均月額は5万5千円、厚生年金は14万7千円 https://t.co/tcpg1eMOVB pic.twitter.com/6Yf46JpS67
— シニアガイド (@senior_guide) April 7, 2018
納める額が多い分、年金が支給される場合には厚生年金の方が高い年金が支給されます。厚生年金とは国民年金に金額を上乗せして納税している年金保険のため、支給されるときも国民年金を納めていた人が受け取る年金よりも金額が高くなるのは当然です。実際にこの2つの支給額は毎月約10万円の違いが存在していると言われています。
国民健康保険と国民年金は両方とも年末調整で控除可能

先ほども述べましたが国民健康保険の保険料が年末調整で控除可能なことと同様に国民年金についても年末調整で控除することが出来ます。控除の重要性についても既に解説しているとおり、金額が大きくなればなるほど納税金額が低くなり手元に入ってくる金額が増えることに繋がります。2つの金額を合わせると意外と高額になるので必ず申告してください。
医療費控除と市民県民税の申告書を作成した。支払った医療費は、およそ50万❗
— はせをFair (@hasewo_fair) February 28, 2018
国民年金健康保険等、社会保険料金の総額は 60万位Σ(゜Д゜)
ただ生きているだけで、これほど支払っていた❕❗ pic.twitter.com/QJcTY6gmbj
国民健康保険と国民年金は控除することが可能ですが、誰でも年末調整でこの2つを控除できるという訳ではありません。次の見出しではどんな人が年末調整で控除額を申告できるのかについてや、年末調整で国民健康保険や国民年金の保険料を控除する方法についてまとめていきます。もし該当する人がいればぜひ参考にしてください。
国民健康保険や国民年金を年末調整で控除できる人
国民健康保険に加入していた年に社会保険に加入した

国民健康保険の保険料を年末調整で控除するためにはそもそも国民健康保険に加入していなければ意味がありません。国民健康保険や国民年金に加入していた人でその年に社会保険に加入したという人が年末調整で保険料を控除できる対象者となります。その年の6月までは国民健康保険だったが7月から社会保険に加入したという場合などが該当します。

これは自営業などに関係なく、前の会社を退職してからアルバイトをして国民健康保険に加入していた場合などにも同様に適応されます。派遣社員で社会保険に加入できなかったが、正社員に切り替わったという場合は意外と国民健康保険から社会保険に切り替える必要がある場合も多いので、年末調整で保険料を申告するようにしてください。
過去に滞納していた国民健康保険の保険料を支払った

年末調整をする年に国民健康保険に加入していたという人以外でも国民健康保険の保険料を控除する方法が存在します。それは過去に滞納していた国民健康保険の保険料を支払ったという場合です。基本的に国民健康保険の保険料は滞納額過去2年分を後から請求されることもあるため、督促状が来た時に既に会社員になっているという人は控除を利用して下さい。
iDeCo(確定拠出年金)控除で節税シミュレーション計算!国民年金基金・付加年金・小規模企業共済も https://t.co/fEBS64QR5K pic.twitter.com/nQXrnYMWRC
— 老後資金貯めたい (@sikintametai) March 19, 2018
しかし、今後の可能性を考えてあらかじめ国民健康保険の保険料を滞納しておくという考え方は非常に危険と言えます。国民健康保険や国民年金を滞納していると、医療費の全額自己負担や財産の差し押さえと言った罰則が科されてしまうこともあるため、間違っても自主的に保険料を滞納するという行為はしないように注意して下さい。
年末調整で国民健康保険を控除するための方法

年末調整で国民健康保険を控除する方法は年末付近に会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」という書類が必要になります。この書類の右下に「社会保険料控除」と記載されている項目があるので、ここに具体的な金額を記入していくことになります。国民年金も同じ項目に記入することになります。

次の見出しでは書類の書き方やその他の必要書類について詳しく解説していきます。国民健康保険の保険料を年末調整で控除する手続きは会社側も慣れていなことが多いため、なるべく自分で記入方法などの知識を備えておくことが重要です。書類の書き方などは決して難しいわけではないので、ぜひこの記事を参考に書類作成をしてみてください。
国民健康保険は控除証明書が必要ない

基本的に控除を受ける場合は控除証明書という書類が必要になります。生命保険や国民年金を控除にする場合はそれぞれ生命保険控除証明書や社会保険料控除証明書などが必要になります。そのため、国民健康保険の保険料を控除する時にも何か証明書が必要なのではないかと考えている人は少なくありませんが、実は国民健康保険には証明書が存在しません。
欄の狭さ、文字の細かさ、保険料と配偶者を同じ用紙に突っ込む無理矢理感等々のバッドデザイン感で初冬の日本列島を席巻し「わかりにくい」とのツイートを毎年量産するこの書式をノミネート。ちなみに「損保ジャパン~」は「SJNKひまわり生命」と略記可だぞ!#バッドデザイン賞2017 #年末調整 pic.twitter.com/PfrIfEX8so
— とざきひろし@税理士 (@eatspiroshiki) December 7, 2017
これは年末調整についても確定申告についても同様に証明書は必要ありません。他の控除には必ず控除証明書が必要になるため、稀に会社側から控除証明書の提出を求められることもあるようですが、その際には国民健康保険には控除証明書が存在しないことを伝えれば問題ありません。
年末調整で提出する書類には何があるの?

年末調整で提出する必要がある書類は「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」と「社会保険料控除証明書」の2つが必要になります。国民健康保険には証明書が必要ないと述べましたが、国民年金には社会保険料控除証明書が必要になるので注意が必要です。

社会保険料控除証明書については自分の住所にハガキで納付されることが一般的です。もしハガキが納付されていない場合や既にハガキを無くしてしまったという人は、最寄りの年金事務所に問い合わせる必要があります。年金事務所にいけば社会保険料控除証明書は再発行することが可能なので安心してください。
年末調整で提出する保険料控除申告書の書き方
記入する項目は社会保険料控除

「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」は一般的に「保険料控除申告書」と言われることが多いです。書類の書き方についてですが、必要になるのは書類の右下に記載されている社会保険控除という項目のみになります。社会保険の種類に「国民健康保険」と「国民年金」を記入します。
保険料の支払先はどこ?
保険料控除申告書の中には「保険料支払い先の名称」という項目が存在します。この項目については国民健康保険の場合は自分の住んでいる市町村名を記入して、国民年金については日本年金機構と記載する必要があります。この項目は特に書き方に悩む人が多いため注意が必要です。
金額は間違わないように注意!

「あなたが本年度中に支払った保険料の金額」と「合計」には控除額を記入して書類を納付することになりますが、金額は間違えないようにしてください。実際に控除額よりも多い金額で書類を納付してしまうと、正常に受理されない場合もあります。逆に少ない金額で納付してしまうと受理はされても損をしてしまうことになるので金額にも注意して下さい。
年末調整で国民健康保険料を控除する注意点

ここまでの見出しでは国民健康保険や国民年金の保険料を控除する方法について詳しく解説してきました。次の見出しでは年末調整で保険料を控除する際に気を付けるべる点についてまとめていきます。書類や金額の納付方法を誤ると手続きが正常に受理されないこともあるので注意して下さい。
【税務ニュース】
— 黒田税務会計事務所 (@kuroda_tax) November 16, 2017
今回は社会保険料控除申告書の社会保険料控除についてピックアップします。
注)写真は国民年金の控除証明書です。#社会保険料控除 #社会保険 #保険料控除 #扶養控除 #生命保険料控除 #国民年金 #国民年金基金 #国民健康保険 #任意継続社会保険料 #年末調整 #相続 #起業 #会社設立 pic.twitter.com/qjdvEH5zqP
もし手続きが正常に行われない場合、再提出となれば幸いですが最悪の場合は控除の利用が出来ないという事態になることもあります。つまり、国民健康保険や国民年金の保険料を一切控除できなくなってしまうという事になるので大きな損失になります。そうならないためにも次の見出しで紹介する注意点を必ず参照してください。
国民健康保険料を控除する注意点1
国民健康保険は申告しないと控除されない

まず1つ目の注意点としては国民健康保険や国民年金は自己申告をしないと控除されないという点です。当然と言えば当然ですが、自動で控除されると勘違いしている人も少なくありません。国民健康保険は社会保険のように会社が管理している保険料ではないので必ず自分で書類を納付して、控除額を申告する必要性があります。
国民健康保険を脱退する手続きは自分で

ちなみに、国民健康保険から社会保険に加入する時にも釈迦保険加入手続きについては会社から配布される書類を納付すれば後の手続きはすべて会社が負担してくれますが、国民健康保険を脱退する手続きは自分で行う必要があります。これを忘れてしまうと2重加入となり、保険料の請求も2重になってしまうため切り替えにも注意して下さい。
国民健康保険料を控除する注意点2
国民年金も年末調整で控除できる

国民年金も年末調整で控除できることを忘れないようにして下さい。年末調整で控除できる項目としては国民健康保険が最も頻繁に名前が上がりますが、国民健康保険に加入したことがある人はその殆どが国民年金にも加入しています。他人事とは思わずに必ず自分の国民年金の保険料について確認するようにして下さい。
国民健康保険は控除できない時もある
国民年金に上乗せする第一号被保険者のための公的年金制度です。
— okcafe (@OKcafe_jp) September 26, 2017
自営業者→国民年金+国民年金基金
会社員等→国民年金+老齢厚生年金+厚生年金基金
支払った全額が社会保険料控除の対象となります💕
加入手続き、当事務所で代行やってます… https://t.co/Qm4Z6BkGqh pic.twitter.com/EbJf8oxGkO
控除対象者の見出しで解説しましたが、保険料を滞納している場合以外で控除が適応されるのはあくまで年末調整が行われる年に払った保険料のみとなります。そのため、国民健康保険にしても国民年金にしてもその年の年末調整までに金額の申告や書類の納付を忘れてしまうと控除が受けられなくなってしまうので注意して下さい。
国民健康保険料を控除する注意点3
国民健康保険の納付額を間違えないように

国民健康保険の保険料を納付した金額についても注意が必要です。先ほども少し触れましたが、納付額を間違えて記入してしまうと、正常に手続きが受理されない可能性や控除額が少なくて損をしてしまう可能性もあります。書類を会社に提出する前にもう一度、納付額に誤りが無いかしっかりと確認をしてから提出するようにして下さい。
後からの指摘で控除が出来ない
あー、年末調整の紙を書かないと。
— @モノクロ猫 → 次の展示は5万人 (@monokuro_catz) November 29, 2017
リーマンだから、書くだけで楽なんだけどね。
めんどくさいのは住宅ローンのアレ。
毎年同じ計算をするんだから、コピーしておけばいいのに、毎年数字を拾いながらの奮闘。
保険のんも3人分書かないと~。
そいや、地震保険のん、証明あったかな? pic.twitter.com/usI5PP6Cbs
これは国民年金についても同様であり、こちらも納付額を誤って記入してしまうと後々問題になる可能性があります。会社側は国民健康保険や国民年金を年末調整で控除する手続きに慣れていないことが多いので、後から指摘されて控除が出来ないという事態にならないように必ず自己確認をするように心がけてください。
年末調整を利用して国民健康保険を控除しよう

年末調整を利用して国民健康保険の保険料を控除する方法は決して難しいわけではありません。ただ、馴染みある手続きではないので最初は書き方や書類の提出方法に戸惑う人も少なくありません。しかし、国民健康保険や国民年金の保険料を控除できることは税金を減らすという面でも大きな効力があるので、ぜひこの記事を参考に控除を利用してください。